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米映画館復活のシンボル「TENET」は、無事7月に公開されるのか?

2020年5月11日 14:00

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米ワーナー・ブラザースの決断に注目が集まる
米ワーナー・ブラザースの決断に注目が集まる
(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

[映画.com ニュース] 全米のほぼすべての劇場が閉鎖されているなかで、クリストファー・ノーラン監督の最新作「TENET テネット」は単なるハリウッド大作以上の意味を帯びてきていると、米バラエティが報じている。

ワイルド・スピード ジェットブレイク」やマーベル映画「エターナルズ」などの夏の超大作が相次いで公開延期になるなかで、米ワーナー・ブラザースは7月17日全米公開予定の「TENET テネット」の公開を延期していない。それは、ノーラン監督の強い意向を反映した決定だと言われている。

ダークナイト」以降のノーラン作品を上映しているIMAXのリチャード・ゲルフォルドCEOは、「アメリカでクリストファー・ノーラン以上に映画館を再開し、この映画を公開させようと努力している人はいない」と、投資家向けの説明会で語っている。

ノーラン監督は、3月下旬にワシントン・ポスト紙に寄稿し、映画館がアメリカの社会生活に不可欠なものであると訴えたことが話題になった。現在は、「TENET テネット」のポストプロダクション中で、リモート作業ではさまざまな苦労があるものの、完成を現状の公開日までに間に合わせるつもりのようだ。

ジョージアやテキサスでは外出規制が緩和され、映画館を再開できるようになったが、劇場側はこの決定は時期尚早として消極的だ。米シネコンチェーン大手のAMCとシネマークは、7月の再開が妥当との考えを示している。ノーラン監督の「TENET テネット」は、劇場再開をアピールするうえで、タイミング的にも絶好の作品だ。

だが、業界内には楽観的すぎるとみる向きもある。「TENET テネット」は、製作費に2億ドル近くを費やした超大作であるため、全米の劇場で拡大公開しなければ採算が取れない。たとえば、感染者が多いロサンゼルスとニューヨークで上映できなければ、興行収入の1~2割を失うことになる。

同時に、アメリカ国外の市場で映画館が再開している必要がある。現時点ではノルウェーとチェコしか映画館が再開しておらず、7月中旬に世界同時公開を実施できるのかは不透明だ。

ワーナー・ブラザースは広告宣伝費を投入する前に、予定通り公開するのか、延期をするのか決めなければならない。どのような決断を下すことになるのかに注目が集まる。

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