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新型コロナの影響で映画祭がオンライン化 その弊害は?

2020年4月30日 16:00

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SXSWも中止に
SXSWも中止に

[映画.com ニュース] 米Amazon Prime Videoが4月27日(現地時間)、「THE SXSW 2020 FILM COLLECTION」という映画特集をローンチした。SXSWは、毎年3月に米テキサス・オースティンで行われるテックと映画と音楽の祭典サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)を指す。3本柱のなかで映画は地味な存在だったが、ここ数年はインディペンデント映画の祭典として知名度をあげてきており、「クワイエット・プレイス」や「アス」といったハリウッド映画がプレミア上映を実施するまでになった。

今年は3月13日に開幕する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1週間前となる3月6日にオースティン市が中止を言い渡した。その後、アメリカ各地で中止となる大規模イベントの先駆けとなったのだ。その後、各州で緊急事態宣言が発令され、医療従事者やスーパーやドラッグストアの従業員、配送業者などの「エッセンシャルワーカー」を除いたアメリカの人々は、基本的に自宅待機を強いられることになった。仕事はリモートとなり、外食はデリバリーに。そして映画館に行くのではなく、自宅で新作映画をオンデマンドで鑑賞することになった。

新型コロナウイルスの感染拡大によって訪れた「ニューノーマル」のなかで、映画祭はどうサバイブすべきか? SXSWが出した答えが、オンライン開催だった。

映画祭ディレクターを務めるジャネット・ピアソン氏は、振り返る。「SXSWがオースティン市当局によって中止されてからというもの、SXSW 2020のラインナップの偉大な作品と映画作家をどうやったら支援できるかと考えてきました。Amazon Prime Videoがオンライン映画祭を提案してくれたとき、アマゾンユーザーと私たちの映画作家を結びつける素晴らしい機会に飛びつきました」

4月27日から10日間にわたり、米Amazon Prime VideoでSXSWはオンラインの映画祭を実施し、プライム会員でなくても、アカウントさえあれば無料視聴できるという。アマゾン・スタジオのジェニファー・サルケ社長は、「SXSWの映画作家のみなさんが努力と情熱を注いだ作品をはじめて観客と共有する場所を提供することができてとても光栄です」とコメントを発表している。

映画祭のオンラインへの移行は、映画ファンにとってはとてもスマートな解決策に映る。通常、地元以外の映画祭に参加するためには費用と時間がかかる。映画祭に行かないと一体感も高揚感も味わえないけれど、コストや時間を節約できるのであれば、トレードオフとして受け入れられやすいと思う。

だが、映画作家となると話が違ってくる。このような映画祭はインディペンデント映画が主体だ。映画作家サイドが資金を集めて作り上げた作品であるため、映画祭はお披露目だけでなく、配給権を売るためのプロモーションの場所でもある。だが、10日間と期間が限定されているとはいえ、アマゾンで不特定多数に公開された作品は商品価値が著しく下がってしまう。

アマゾンは「上映代」を払うと言っているが、制作費を賄うほどの額を呈示するとはとても思えない。実際、ラインナップ発表時のSXSWの作品数は200本以上あったが、「THE SXSW 2020 FILM COLLECTION」として公開されるのは39本に留まっている。

前述のピアソン氏も、完璧な代替案ではないことを認めている。「それぞれの映画に独自の戦略があることを理解していますし、この機会がすべての映画作家にとって価値があるわけではないこともわかります。同時に、いまこの瞬間に、可能な限り多くの人に自作を見て欲しいと願っている人たちに、このプラットフォームを提供できることを喜んでいます」

米ニューヨークで4月15日に開幕予定だったトライベッカ映画祭も、新型コロナウイルスの影響でオンラインに移行している。この流れは、他の映画祭にも広がっていきそうだ。


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