ワーナーメディア新CEOに米Hulu初代CEOが就任
2020年4月10日 19:30

[映画.com ニュース]米メディア企業ワーナーメディア(旧タイムワーナー)の最高経営責任者(CEO)に、米ストリーミングサービスHuluの初代CEOとして知られるジェイソン・キラー氏が就任することが決定した。
キラー氏は2007年の米Hulu立ち上げから13年まで同社のCEOを務め、親会社であるディズニー、NBCユニバーサル、21世紀フォックスという3社の巨大メディア企業と複雑な調整をしながら、米動画サービスを軌道に乗せた立役者。その後、新ストリーミング動画のスタートアップVesselを共同設立し、CEOを務めた。Vesselの技術は、16年に米通信大手ベライゾンに販売している。
一方、18年に米通信大手AT&Tによって買収されたタイムワーナーは、ワーナーメディアと社名を変更し、事業再編を進めてきた。映画やテレビ制作を手がけるワーナー・ブラザース、ニュース専門局CNNやスポーツ局を傘下に持つワーナーメディア・ニュース&スポーツ、米有料チャンネルのHBOやTBSやTNTといったケーブル局を持つワーナーメディア・エンタテイメントなどを抱えている。
そんな複合メディア企業のワーナーメディアがキラー氏を招聘したのは、同社が準備中の独自のストリーミングサービス「HBO Max」に重点を置いている証拠と言えよう。現CEOのジョン・スタンキー氏は、「ジェイソンはワーナーメディアを未来に導くために必要なスキルを備えたダイナミックな経営者です」とコメントを発表している。
なお、米通信大手のAT&Tの重役でもあるスタンキー氏は、18年のAT&Tによる旧タイムワーナーの買収を実現させた立役者で、新星ワーナーメディアのCEOに就任。だが、19年10月にAT&Tの最高執行責任者(COO)に就任したことから、ワーナーメディアのCEOを退くのは時間の問題とみられていた。
このニュースに、米ストリーミング大手Netflixのリード・ヘイスティングCEOは自身のツイッターで、「君がそこにいるのは怖いけれど、HBOが強くなるのは確実なので、世界にとっては良いことだ」とキラー氏にエールを送っている。
キラー氏は、5月1日にCEOに就任する予定だ。
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