仏ポンピドゥー・センター、前衛、実験映画など所蔵映像作品を週替わりで無料公開

2020年4月3日 13:30


改修工事中のポンピドゥー・センター(2019年撮影)
改修工事中のポンピドゥー・センター(2019年撮影)

[映画.com ニュース] 新型コロナウイルスの影響で、現在閉鎖中の仏パリの近現代美術館、ポンピドゥー・センターが、所蔵する映像作品を公式サイトにて週替わりで無料公開している。毎週水曜日午後1時(現地時間)に作品が更新される。

現在公開されているのは、作家であり、映画監督としても知られるマルグリット・デュラスの短編「陰画の手」(1979)。本作は、デュラスの長編「船舶ナイト号」(78)で使わなかったラッシュフィルムを用いた作品で、人のいない早朝のパリの風景を映しながら、スペインのアルタミラ洞窟に残された手形からインスパイアされたデュラスのテキストが、本人の朗読によって重ねられている。

同ページには、作品情報として、のちにジャン=リュック・ゴダールらも影響を受けた、既存の映像に関係のない文章の音声を被せる、レトリスム運動から生まれた手法を用いた「ディスクレパン映画」であるとの解説(仏語)が記載されている。また、「陰画の手」の原題である「Les Mains negatives」は、手形を意味し、ページ下部には、同館が所蔵するワシリー・カンディンスキーによる同名の絵画作品も紹介され、洞窟壁画から映画まで、芸術の歴史についての知識を深められる構成となっている。

Amazonで今すぐ購入

DVD・ブルーレイ

Powered by価格.com

関連ニュース