竹中直人×山田孝之×齊藤工「ゾッキ」充実のクランクアップ! 蒲郡市が徹底支援
2020年2月28日 06:00

[映画.com ニュース]竹中直人、山田孝之、齊藤工が監督として、漫画家・大橋裕之氏の初期傑作集を映画化する「ゾッキ」が2月24日、クランクアップを迎えた。
原作となったのは、大橋氏の人気漫画「ゾッキA」「ゾッキB」。映画版は、それぞれの巻に収録された多数の短編エピソードを織り交ぜて構成し、舞台演出家・劇作家の倉持裕が脚本を書き上げた。竹中監督、山田監督、齊藤監督には、それぞれ担当するエピソードやキャラクターがあり、それらがリンクするシーンでは、2人、または3人で演出を手掛けている。3人は互いを尊重し、アイデアを出し合い、本番のスタートを誰がかけるかを相談しながら、撮影を進行していったようだ。

撮影地となったのは、大橋氏の生まれ故郷・愛知県蒲郡市。同市では、蒲郡商工会議所を中心とした官民一体の実行委員会「映画『ゾッキ』蒲郡プロジェクト委員会」が組成され、スタッフやキャストのロケ弁当に添える応援メッセージを募るなど、蒲郡市全体を巻き込んで支援に努めた。この官民一体の取り組みは、フィルムコミッションやロケーリズムの観点で近隣の自治体から注目され、撮影には愛知県、岡崎市、豊橋市、豊川市、豊田市、東海市の視察が入った。

クランクインの2月4日は、竹中監督と齊藤監督が2人で演出するシーンからスタート。初めてメガホンをとることになった山田監督は、2人の撮り方を見て、後半から始まる自身の担当シーンに備えていたが、いざ撮影が始まると、初挑戦とは思えない落ち着きぶりだ。監督3人は、俳優としての視点を生かしてキャストの立場に立ち、身体やメンタルのケアなど、演じやすい環境作りを心掛けていた。24日に行われたラストカットの撮影は、参加予定のなかった齊藤監督が急遽駆けつけ、声を揃えた「スタート」が現場に響き渡り、無事クランクアップを迎えたようだ。

竹中監督は「全てのキャスティングが、山田孝之組も、齊藤工組も最高のキャストが集まったと思いますね」と断言。「僕も本当に理想のキャストだった。役者を演出するのはとても楽しい仕事なんで、撮影が終わって、今すごい寂しいですよ。でもこれからどんな風に仕上がっていくのかという緊張があるので、これからが始まりです」と完成に向けて意欲十分だ。

山田監督は“理想的なキャスト”との日々について「特別な演出や見せ方はしていないですが、『お芝居をしていない風に見えること』が一番重要かなと思っていて、その人がその時を生きていて、その時感じた感情から言葉が出てくるようにしなければいけない。なので『相手の言葉を聞いて』というのはよく言っていたかも知れないですね」と説明。さらに、蒲郡市民の協力に感謝を示しつつ「確実に今後の映画作りにおいて何かしら希望になる作品になるんじゃないかと、確信してますね。そうなったらいいな」と思いの丈を述べた。

齊藤監督は「撮影が始まっても、キャリアのある竹中さん、山田監督、僕も含めて状況を見てじゃあ一歩下がろうとか、ここはイニシアチブを自分が取ろうとか三者が三様で出来たと思います」と述懐。「その複雑性みたいなものをスタッフの皆さんがきちんと指揮をとって下さって、僕らにとってもやりやすかったし、最高だった。僕らに困惑を見せることなく伸び伸びと、それぞれのシーンを一緒に切り取って下さった。編集に入るのが楽しみです! 本当に満足のいく撮影ができたなと思います」と語っている。

美術にも協力した大橋氏は「10何年前になんとなく描いた漫画が映画化して、取り上げて頂いてすごい嬉しいです。やり続けてきて良かったなと思います」としみじみ。「映画のスタッフ様も、蒲郡の街の方も関わった皆様が喜んで下さってるのが本当に嬉しいです。まだまだ公開前、公開後も大変だと思うんですけど、宜しくお願いいたします。楽しみにしています」とコメントを寄せている。
「ゾッキ」は、2021年に全国公開。キャスト発表は、今秋を予定している。
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