綾戸智恵、「黒い司法」は冤罪だけの映画じゃない!「人間の問題を扱っている」
2020年2月27日 16:00
[映画.com ニュース]冤罪の死刑囚たちのために闘う弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を映画化した「黒い司法 0%からの奇跡」が、2月28日から全国公開される。黒人への差別が根強い1988年当時に、舞台となるアラバマ州を訪れたことがあるジャズ・シンガーの綾戸智恵が本作を鑑賞し、当時の思い出や映画の魅力を熱弁した。
1980年代のアラバマ州。犯してもいない罪で死刑宣告された黒人の被告人ウォルター(ジェイミー・フォックス)を助けるため、新人弁護士のブライアン(マイケル・B・ジョーダン)は無罪を勝ち取るべく立ち上がる。しかし、仕組まれた証言、白人の陪審員たち、証人や弁護士たちへの脅迫など、数々の差別と不正がブライアンの前に立ちはだかる。
綾戸は「映画を見て、シャツに中途半端なアイロンがかかっているところにこの映画のこだわりが見えました」と指摘し、「お母さんがアイロンをかけていたという家族体系、いかにアメリカの南部は母親が家族の中心だったか、ここがしっかり描けていると思います。弁護に行くから白シャツは着るけれども、アイロンが襟だけにかかっている。これがどういう意味なのかっていうと、お母さんのもとを離れて男の子一人だから、襟までが精いっぱいだったんやろな。これを意識してなのかどうかは分からないけれども、ママの存在の大きさがこのアイロン一つで伝わってきます」と持論を展開。
続けて、「この映画は死刑制度を扱ってはいるけれども、制度だけの話じゃない。死刑が良いか悪いかは言っていない、“アラバマ”で“黒人”だからというだけで死刑を宣告された、人間の問題を扱っているんです」と話す。
さらに、「現代の日本でも黒人に対する人種差別を感じることがあります。息子がきれいな恰好していないと職質を受けたり、車屋を見に行っても断られたり……知識があまりない分、日本のほうがえげつないと感じることもあります」と現状を訴える。
最後に、「一番言いたいのは、冤罪だけの映画じゃないということ」と、改めて見どころに触れた綾戸。「努力で勝利を勝ち取った、諦めなければ道は開けるというだけの映画じゃないです。ブライアンが努力の結果弁護士になった先の物語として、80年代のアラバマを舞台に、アメリカの闇を描いています。いまだにあるんだよって。無罪だとか有罪だとかっていうことを超えて、今アメリカで実際に起こっている、私たちの知らない事実があるんだって教えてくれます」と熱弁し、「この作品を見ることは、どんなニュースを見るよりもアメリカに近づくことになります!」と重要性を語った。
「黒い司法 0%からの奇跡」は2月28日から公開。
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