ウーマン村本、「分断」をめぐる10代の頃の思い出を語る
2020年2月26日 09:00

[映画.com ニュース]ジャーナリストの堀潤が、国内外の様々な社会課題の現場で深まる「分断」を題材に5年の歳月をかけて撮りあげたドキュメンタリー映画「わたしは分断を許さない」の完成披露試写会が2月25日に朝日新聞本社読者ホールで行われ、堀監督がゲストのウーマンラッシュアワーの村本大輔とともに映画について語り合った。
日米の原発メルトダウン事故の実態に迫った「変身 Metamorphosis」から5年、堀が東京電力福島第一原子力発電所の取材を始めてからおよそ10年の時が経った。本作は、その間に彼が追い続けた、香港、ガザ、シリア、福島、沖縄、朝鮮半島といった世界中の報道の現場で出会った人々への取材記録と、そこから浮かび上がる「分断」を描き出している。
日本のみならず、世界各国で“不安”をもたらすような事件や社会問題が勃発し、「どうしてそうなったのかを知りたくてこの映画を作った」と語る堀監督は、「こうやって無事に映画が完成してホッとしています」と笑顔。対する村本も「テレビのメディアなどが拾い上げないもの、数字にはならないけど大事な物語というか、そういう人の思いが詰まっていたなと思います。僕らは漫才でこういうことを伝えたいなと思っているんです」と感想を述べた。
そして、映画のテーマである「分断」という言葉を聞いて感じたことについて質問された村本は、高校中退後に地元の植木屋でバイトをしていた時に、近所の焼き肉店の庭の手入れを任された時のことを振り返り、「そこの従業員の女の子がすごくキレイで。給料が入るたびにその焼き肉屋に通っていたんです。そこで、そこの男性従業員の方に『彼女、キレイですね』と言ったら、『ありがとうございます。僕の彼女です』と言われて。キムチを食べながら泣きながら電車に乗ったという思い出があって」という10代の頃の失恋の思い出を語るも、その時に別の日本人の知り合いから「あそこは在日やぞ。しゃべるな」と言われたことにもやもやし、理解できなかったことを振り返る。
それから20年ほどたって、韓国海軍のレーザー照射問題が起きた際に、SNS上で韓国人に対する悪口を見つけた村本は、ツイッター上で「そういうことを言う日本人はクソだ」と応酬したことがあった。すると、前述の焼き肉店の娘から村本宛に20年ぶりに人づてに連絡が来たという。そこにあった「あなたの漫才を見てファンになりました。あの時の植木屋さんのアルバイトの子が素敵な大人になりましたね。ただ『そういうことを言う日本人はクソだ』という言い方をすると、あなたを好きな人は、そう言った人に対して悪意を向けてしまう。あなたがやっていることはただ分断を広げているだけの暴力をしているに過ぎない」という彼女の言葉に、「自分が感情的になって。正しい、誰かを守りたいと思った自分の言葉が、実は分断を助長していただけ、ということを教えられた」と語る。
そして「僕の漫才には怒りがあるんです」と語る村本から、その原動力について質問された堀監督は、「迷いや悩みです。各現場に出てくる登場人物たちはみんな悩んでいます。答えが出ないから。だから悩んでいる人に、一緒に悩みますかという関係を築くことかなと思います」と返答してみせた。
映画「わたしは分断を許さない」は3月7日よりポレポレ東中野にて公開。
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