韓国で異例の大ヒット! 90年代ソウルに生きる少女の青春と痛みを描くベルリン受賞作、4月公開
2020年1月27日 18:00
[映画.com ニュース] 韓国の単館公開規模の作品としては異例となる、公開後1カ月で観客動員数12万人を記録し、世界の映画祭で44以上の賞(1月現在)を獲得した映画「House of Hummingbird(英題)」が、「はちどり」の邦題で、4月下旬に公開されることがわかった。1990年代の韓国に生きる14歳の少女が抱える思春期特有の揺れ動く思いと痛み、そして家族との関係を繊細に描き出す。
物語の舞台は、空前の経済成長を迎えていた94年の韓国・ソウル。14歳のウニは、両親、姉、兄と無機質な集合団地で暮らしていた。学校になじめず、別の学校に通う親友といたずらをしたり、男子や後輩女子とデートする日々。小さな餅屋を切り盛りし、朝から晩まで働き通しの両親は、子どもたちの心の動きと向き合う余裕がない。厳格な父は兄に期待を寄せていたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていた。自分に無関心な大人に囲まれ、孤独感を募らせるウニ。ある日、自分が通う漢文塾で不思議な雰囲気を漂わせる女性教師ヨンジと出会う。自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、ウニは心を開いていく。
第23回釜山国際映画祭でワールドプレミア上映され、第69回ベルリン国際映画祭のジェネレーション14プラス部門でグランプリを獲得した本作。2019年8月に韓国で公開されると、単館公開規模ながら、最終的な観客動員数が15万人に迫る大ヒットを果たした。38歳のキム・ボラ監督が初めて手掛けた長編作品で、自身の少女時代の体験をベースにしている。タイトルとなった「はちどり」は世界で最も小さい鳥の1種でありながら、羽根を1秒に80回も羽ばたかせ、蜜を求めて長く飛び続ける鳥。キム監督は、希望、愛、生命力の象徴であるはちどりの姿が、主人公ウニと似ていると語っている。
ウニは、16年に韓国で発売されたベストセラー小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代と重なる部分がある。男性の優遇が当たり前だった時代、女性であるという理由で我慢しなければいけなかったこと、そんな状況がおかしいと気付かなかったこと――。性差別が根強い時代に生まれ、声をあげようとする女性の姿を描いている点で、両作品は韓国の女性たちの共感を呼んだ。
あわせてお披露目された場面写真では、ウニの凛とした眼差しを活写。さらに、友人と過ごす放課後のささやかな時間や、家族と囲む食卓など、ありふれているが二度と戻らない少女時代の風景がみずみずしく切り取られている。
「はちどり」は、4月下旬に東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。PG12。
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