カンバーバッチ×スコセッシ! “電流戦争”を描く「エジソンズ・ゲーム」20年4月公開
2019年12月20日 11:00

[映画.com ニュース] ベネディクト・カンバーバッチが主演し、マーティン・スコセッシ監督が製作総指揮を務めた映画「The Current War(原題)」が、「エジソンズ・ゲーム」の邦題で、2020年4月に日本公開されることが決定。あわせて、日本版ポスターもお披露目された。
世紀の発明王トーマス・エジソンには、最強のライバルがいた。“頭脳でトップに立つクリエイター”エジソンに対抗した男の名前は、“戦略で支配を広げるカリスマ実業家”ジョージ・ウェスティングハウス。映画は、アメリカ初の電力送電システムを巡る「電流戦争」を描いたもの。カンバーバッチがエジソンを演じ、ウェスティングハウスをマイケル・シャノン、若き天才科学者テスラをニコラス・ホルト、エジソンを支える助手役としてトム・ホランドが出演している。
19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させたエジソンは天才発明家と崇められ、大統領からの仕事も平気で断る傲慢な男だった。一方、実業家ウェスティングハウスは、大量の発電機が必要なエジソンの“直流”より、遠くまで電気を送れて安価な“交流”の方が優れていると考えていた。若手発明家のテスラも、効率的な“交流”の活用を提案していたが、エジソンに一蹴されてしまう。やがて、ウェスティングハウスが“交流”式送電の実演会を成功させたというニュースに、エジソンは激怒。「“交流”は危険で人を殺す」とネガティブキャンペーンで世論を誘導したことで、世紀の「電流戦争」が幕を開ける。
本作はワインスタイン・カンパニーの作品として、17年のトロント国際映画祭でお披露目され、全米公開を予定していた。しかし、共同創業者のハーベイ・ワインスタインのセクハラ疑惑が発覚し、同社が破産に追い込まれたことで公開延期に。その後、ワインスタイン・カンパニーは買収され、新たな101Studiosという配給会社によって、今年10月に全米公開を実現したばかりだ。
この復活劇に一役買って出たのが、スコセッシ監督だった。トロント国際映画祭で披露された本編は、ワインスタイン・カンパニーの強い圧力によってまとめられた製作陣にとって不本意なバージョンだったという。メガホンをとったアルフォンソ・ゴメス=レホン監督(「ぼくとアールと彼女のさよなら」)の師匠だったスコセッシ監督は、それを完成版と認めず、製作陣による再編集を支援したのだ。レホン監督らは、超多忙なスター俳優たちを集め、たった1日限りの再撮影を敢行。元のバージョンから10分をカット、新たに5つものシーンを追加した渾身の“ディレクターズ・カット”を完成させ、2年越しの全米公開を果たしたのだ。
日本版ポスターは、真剣な眼差しの天才・エジソンと宿敵・ウェスティングハウスの姿に加え「天才発明家VSカリスマ実業家」というワードを添えたもの。2人の間には火花のような電流がほとばしり、「未来を照らすのは、誰だ。」というコピーが「電流戦争」の行方を問いかけている。
「エジソンズ・ゲーム」は、20年4月に東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
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