ワインスタイン騒動でお蔵入りの危機にあったカンバーバッチ主演作、配給が決定
2018年10月11日 09:00
[映画.com ニュース] 製作元のワインスタイン・カンパニーが共同設立者ハーベイ・ワインスタインのセクハラ騒動により破産に追い込まれたことで、お蔵入りの危機に瀕していたベネディクト・カンバーバッチ主演作「The Current War(原題)」にようやく公開の見通しが立った。米ハリウッド・レポーターが伝えている。
今作は1880年代後半、電力事業黎明期のアメリカを舞台に、電力供給システムの開発をめぐってライバル関係にあった二大発明家、トーマス・エジソンとジョージ・ウェスティングハウスの間で勃発した通称“電流戦争”を題材にしたドラマ。カンバーバッチがエジソン、マイケル・シャノン(「シェイプ・オブ・ウォーター」「ノクターナル・アニマルズ」)がウェスティングハウス、ニコラス・ホルトがウェスティングハウスと組んでエジソンと真っ向から対立した若き天才電気技師ニコラ・テスラを演じるほか、トム・ホランド、キャサリン・ウォーターストン、タペンス・ミドルトンら英国を代表する実力派俳優陣がキャストに名を連ねる。
「ぼくとアールと彼女のさよなら」で脚光を浴びたアルフォンソ・ゴメス=レホン監督がメガホンをとる今作は、昨年9月にトロント国際映画祭でプレミア上映された後、11月から全米公開の予定だったが、ワインスタイン・カンパニーの倒産により公開が見送られたままこう着状態に陥っていた。だがこのほど、今年5月に破産法適用の手続きを通して同社を買い上げた投資会社ランタン・キャピタル・パートナーズ傘下の映画会社ランタン・エンタテインメントが、米ロサンゼルスを拠点にインディペンデント系映画への投資と海外セールスを手がける13フィルムズ社と共同で配給権を獲得。公開実現に向けて大きく前進した。
ランタン&13フィルムズはまた、ワインスタイン・カンパニーの倒産により同じく無期公開延期の憂き目に遭っていた話題のホラー映画「ポラロイド(原題)」の配給も手がけることで合意したとのことだが、いずれも公開日は未定となっている。