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柳楽優弥、日本・モンゴル・フランス合作主演に「自分のロードムービーのような気持ち」

2019年12月4日 10:00

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パリの現代日本映画祭キノタヨで映画.comの取材に応じた柳楽優弥
パリの現代日本映画祭キノタヨで映画.comの取材に応じた柳楽優弥

[映画.com ニュース] パリの現代日本映画祭キノタヨで、柳楽優弥が主演した日本、モンゴル、フランスの合作映画「ターコイズの空の下で」が特別招待枠で披露され、大きな称賛を集めた。本作は、欧米で育った映像作家KENTAROの初監督作品であり、日本とモンゴルを舞台に、モンゴルの大スター、アムラ・バルジンヤムや麿赤兒が共演する。

裕福な家庭で育った道楽息子タケシが、実業家の祖父の一声により、終戦直後に生まれて生き別れた祖父の娘を探すためモンゴルに送られる。モンゴル人の馬泥棒アムラをガイドに、でこぼこコンビによる波乱の旅が展開するというもの。フランス人の観客からは、「とても詩的で美しい物語」「映像美に圧倒された」「日本映画はリズムがゆっくりで長いと感じさせるものが多い印象があるなか、この作品は緩急のリズムがあり、日本映画らしくないセンスを感じさせた」といった感想が聞かれた。

舞台挨拶に立ったKENTARO監督と柳楽は、モンゴルの経験について尋ねられ、「数年前から毎年モンゴルに行って、モンゴルのことを知るようになりました。これはモンゴルを舞台にしたロードムービーで、タケシが旅の通過儀礼を経験して自分のアイデンティティを知る過程が、ロードムービーという形で表現されています」(KENTARO)、「準備する必要がないと監督に言われていたのと、撮影の1カ月ほど前に出演することが決まったので、とくに前もって何かをするということはなかったです。携帯が繋がらなかったり、野生のマーモット(プレーリードッグ)の丸焼きをおもてなしされたり、ゲルのなかにネズミがいたりということがびっくりしましたけれど(笑)、情報が多い東京では経験することのない環境で、楽しめたと感じました」(柳楽)と、それぞれ語った。

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また、現地で映画.comの取材に応じた柳楽は、本作に出演した理由について、「モンゴルに行くことにやはり一番興味を惹かれました。それに共演するのがモンゴルの大スターのアムラさんで、違う国の俳優さんと会っていろいろなインスピレーションを受けることができるのではないかという好奇心もありました。撮影現場は空港からさらに13時間ぐらい車で行ったところで、途中徐々にらくだや馬などの動物が増えてくるんです。砂漠も越えて、星が綺麗に見えてきて、同じ地球のなかでこんな見たことのない景色が見られるというのは強烈でしたし、自分と見つめ合うことができた時間でした。これまで情報がたくさんあるなかで、自分がいろいろなものに左右されていたことに気づかされ、本来の自分の直感や人間らしい部分を再確認させられました。現地の人も温かくて、まるで自分のロードムービーのような気持ちになりました(笑)」と、語った。

さらに今回が初長編であるKENTARO監督については、「圧倒的な才能があるのでとても心強かったです。すべてに無駄がなくて、その場で的確にいいものをご自分のなかでイメージできているんだなと感じさせられました」と、全幅の信頼があったことを明かした。

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誰も知らない」(2004)により、カンヌ国際映画祭史上、最年少で男優賞に輝いた柳楽。これまで海外作品のオファーは何度か受けてきたなか、満を持して出演した本作は、11月に開催されたドイツのマンハイム・ハイデルベルグ国際映画祭で観客賞にあたるタレント・アワードと、国際批評家連盟賞をW受賞する快挙を果たした。これを機に、再び海外との縁も増えるのでは、と水を向けると、「来年30歳になるんですが、今回合作という形でフランスと繋がることができて、これから徐々にいろいろな経験をさせて頂くなかで、少しずついいコンディションでリラックスしながら映画に関わり、いろいろな国に自分の出演作を持っていけたらいいなと思っています」と、矜持をのぞかせた。(佐藤久理子)

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