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ジョーダン・ピール、ホラー映画の必要性を熱く説く

2019年11月1日 18:00

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ジョーダン・ピール監督
ジョーダン・ピール監督
Photo by Kevork Djansezian/Getty Images

[映画.com ニュース] 長編監督デビュー作「ゲット・アウト」で世界中に一大センセーションを巻き起こしたジョーダン・ピール監督がこのほど、米ロサンゼルスで行われたブリタニア・アワード授賞式に出席。受賞スピーチでホラー映画というジャンルの必要性について熱く語った。米ハリウッド・レポーターが伝えている。

米英の映画界の親交を深めることを目的に、英国アカデミー(BAFTA)ロサンゼルス支部が主催する同アワード。監督部門に相当する「ジョン・シュレシンジャー賞」を受賞したピール監督は、「子どもの頃、イギリスのものなら何でも好きっていうくらい根っからの英国びいきだった僕にとって、これほど光栄なことはない」と感激の面持ちで述べたあと、「もっと素晴らしい作品をもっとたくさん手がけてきた偉大な監督たちがいるはずなのに、たった2本しか映画を撮っていない僕がこんな賞を頂いていいものかと、申し訳ない気がしてしまう。次の監督作がとんでもない駄作になる可能性も大いにありますしね」とジョークで会場を和ませた。

「『ゲット・アウト』を見て、人を殺してでも彼と仕事をしたいと思ったのを覚えているんだけど、まさかそれが本当になるとは思わなかったわ」と、新作「アス」で自身が演じるキャラクターに重ねて冗談まじりに語ったプレゼンターのルピタ・ニョンゴに、「ホラー映画というレンズを通して社会問題に関する会話を促すのが、彼独自の才能であり素晴らしいところ」と監督としての手腕を絶賛されたピールは、「こういったアワードも含めて過小評価されがちなホラー映画ですが、僕は数あるジャンルのなかでも最も美しく、最も映画的なものだと思っています。近年のホラーブームは、個人的に喜ばしいものであると同時に、今の時代において非常に重要な意義をもつように感じます。僕は常々、不安や恐怖といった悪夢とは真っ向から向き合うべきだと思っているのですが、ひとりぼっちではなくみんなで一緒に、笑ったり泣いたり叫び声を上げたりしながらそれが出来るのが、ホラー映画の素晴らしさであり、必需性だと信じています」とホラージャンルの意義を力強く訴えた。

アカデミー賞脚本賞に輝いた傑作ホラースリラー「ゲット・アウト」に続き、自分たちとそっくりの謎の存在と対峙する一家の恐怖を描く、ニョンゴ主演の監督第2作「アス」も好成績を記録しているピール監督は、テレビシリーズでは米アマゾン・スタジオと、長編映画では米ユニバーサル・ピクチャーズとそれぞれファーストルック契約を結ぶなど、自身の制作会社モンキーポー・プロダクションズを通じてプロデューサーとしても活躍。モンキーポー・プロダクションズは現在、1992年のホラー映画「キャンディマン」のリメイクに着手しているほか、米HBOの新ドラマ「ラブクラフト・カントリー」を手がけている。

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