フィリピンのベルナード監督、東欧ロケ&初の心理スリラーに挑戦「復讐と愛、内なる悪魔について語った」
2019年10月29日 22:05

[映画.com ニュース] 第32回東京国際映画祭の「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」に出品されたフィリピン映画「それぞれの記憶」が10月29日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、来日したシーグリッド・アーンドレア P・ベルナード監督と撮影監督のボーイ・イニゲス氏が観客とのQ&Aに応じた。
東欧ジョージアを舞台に描いたスリラー。ジョージアのレストランで働くフィリピン移民のマーラは、同じくフィリピン人のホアキムと出会い、惹かれ合っていく。しかし、ホアキムが幻聴に襲われ奇妙な女性の姿を幻視するようになり、2人の運命は狂い始める。
ベルナード監督は、「これまでの4作品はラブストーリーを撮っていましたが、5本目は私の最初の心理スリラーです。最近精神の病を抱えている人たちが増えています、そういった話題とこのような話をあわせたら興味深いと思ったのです。この映画では復讐と愛、人間の心の内なる悪魔について語っています」と最新作のテーマを解説。
そして、「この映画を見始めると、犯罪映画か、ホラーなのかと観客は戸惑うと思いますが、最終的には愛についてのドラマと理解し、そしてすべての嘘にはいくばくかの真実が含まれていることもわかるのです」と人間心理を複雑な表現で描いた理由と、サイコパス的な人物を演じる役者陣への演出に何より力を入れたと明かした。

2017年にフィリピンで公開された「キタキタ」では北海道ロケを行った。今作でジョージアを選んだ理由を問われると、「世界のどこにもフィリピン人はいますが、ジョージアには30人ほどしかフィリピン人がいません。(撮影監督の)ボーイの提案だったのですが、私はアメリカのジョージア州のことかと思っていました。調べたところ、美しく、完璧な場所だと思いました。1カ月ロケハンを兼ねて住んで文化を学び、映画に取り入れたつもりです」と答えた。
撮影を担当したイニゲス氏は「映画のムードを監督と話し合って青にしました。暗さや闇を表すのに効果的だったのです。予算が限られていたので、夜のシーンは昼に撮って、夜のシーンに見せる苦労がありました。ワインバーのシーンも色調整をして夜のように見せました」と統一された色調や撮影の苦労を語った。
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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