「IT イット」完結編の製作秘話を町山智浩と高橋ヨシキが語る
2019年9月18日 14:00

[映画.com ニュース] 大ヒットホラー映画の完結編「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」のジャパンプレミアが9月17日、東京・池袋のグランドシネマサンシャインで行われ、映画評論家の町山智浩氏と映画ライターの高橋ヨシキ氏がトークを繰り広げた。
スティーブン・キング原作のホラー映画。全米でR指定映画として史上最大規模となる、4570館で公開された本作は、9月6~8日の3日間で、興行収入9100万ドル(約96.4億円)のオープニング記録を叩き出し、全米興行ランキングでは2週連続で首位となっている。
「映画秘宝ナイト in IMAXレーザー」と銘打たれたこの日、最初に登壇したのは高橋氏のみで「町山さん、下水にまみれて死にました」と本作にちなんだギャグを飛ばす。数分遅れて、気合十分にピエロメイクをした町山氏が登場すると、拍手に包まれた。高橋氏は「時代はピエロだ。これからはピエロしかない。ベネチアでも、ピエロ(『ジョーカー』)が金獅子賞ですし」と言うと、町山氏も「僕は明日もピエロ(『ジョーカー』)でトークショーです。ワーナーは、ピエロで飯食ってるのかと。両方とも大ヒットでしょ」と笑う。
本作では、前作の27年後が描かれるということで、ジェームズ・マカボイやジェシカ・チャステインら人気スターたちが、大人になったルーザーズ(子どもたち)を演じている。町山氏の口からは「1作目がヒットした直後に、2作目をスタートさせていますが、大人の役のキャスティングを子どもたちにもやらせています。彼らの希望を聞いているんです」と明かす。
高橋氏も「小ネタですが」と切り出し、「子役は育つのが早いんです。彼らはすっかり大人になっちゃっていますが、CGで子役を若くしています」と言うと、町山氏も「背が高くなったから小さくしているんです」とうなずき、会場を驚かせていた。
前作よりも遥かに予算をかけられた本作は、キャストも映像もスケールアップしているが、もちろん2人とも映画のクオリティーはお墨付きだ。町山氏によると「後半はコメディで、かなりアドリブをかましています。また、サプライズがあり、原作を読んでいる人も気づかないような展開になっています」と爆笑ポイントや見どころを強調する。
高橋氏は「面白いのは、子どもたちが大人になった時、同じようなトラウマを繰り返してしまっているところ。また、スティーブン・キング自身の子どもの頃の恐怖も反映されています」と指摘すると、町山氏もピエロことペニー・ワイズについて「彼は人々を敵対させ、互いに憎ませようとする。今、政治的なリーダーがそうだから、それに踊らされるなと言ってるんです。アメリカのマスコミでは、ペニー・ワイズはトランプだと出している媒体もあるくらいです」と告白。最後は「この映画には、いろんないいところがあります。映画自体はホラーというよりは、感動作です」としっかりアピールした。11月1日から全国で公開。
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