「おいしい家族」ふくだももこ監督、母からの手紙に感涙!主演・松本穂香が代読
2019年9月1日 11:00
[映画.com ニュース] 女優の松本穂香が初主演を飾る「おいしい家族」の完成披露上映会が8月31日、都内で行われ、松本をはじめ、共演する板尾創路、浜野謙太、笠松将、脚本も手がけたふくだももこ監督が舞台挨拶に立った。松本が、ふくだ監督の母親から届いた手紙を代読すると、ふくだ監督は思わず感涙。隣に立つ浜野の浴衣の袖をハンカチ代わりに涙をぬぐった。
手紙は幼い頃の思い出に始まり、映画監督になるため、努力を重ねた姿を見守った内容。ふくだ監督は、養子として育った日々に触れながら「いろんな人に優しくしてもらったので、この映画でいろんな人に(感謝を)返していかないと思って。見てもらった皆さんなら、わかると思うんですけど、めっちゃいい映画です(笑)。これからどんどん羽ばたいて」と長編デビュー作の“巣立ち”に感無量の面持ちだった。
母の三回忌で生まれ育った離島に帰って来た橙花(松本)。彼女を待っていたのは、亡き母の服に身を包み、男性パートナーとの結婚を宣言する父・青治(板尾)だった。浜野が青治のパートナー、和生を、笠松が橙花の弟・翠を演じている。
ふくだ監督がかつて手がけた短編映画「父の結婚」を長編化。板尾は短編でも同じ役どころを演じており、「板尾さんが舞台挨拶で、いい作品だから、長編にしたいんやけど、誰かえらい人、お金出してくださいって言ってくださった」(ふくだ監督)、「言うてみるもんですね。もともと30分の短編で、出来も良かったから、もっと表現できるんじゃないかと」(板尾)と作品誕生のいきさつを話していた。
主演の松本は「監督がとにかく、いちばん楽しんでいた。いいアングルがあれば、『ええやん、ええやん』って自信満々で先陣切ってくれるので、安心して最後まで演じきれた」と回想。伊豆諸島の新島でロケが行われ、「遮断された場所で、余計なことを考えることもなく、純粋に役に入り込めた」と語った。
「おいしい家族」は、9月20日から全国公開。