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ジャ・ジャンクー監督、“集大成”に込めた「青の稲妻」「長江哀歌」で描けなかったこと

2019年7月25日 15:23

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(左から)中国の名匠ジャ・ジャンクー、主演を務めたチャオ・タオ、プロデューサーの市山尚三氏
(左から)中国の名匠ジャ・ジャンクー、主演を務めたチャオ・タオ、プロデューサーの市山尚三氏

[映画.com ニュース]第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された「帰れない二人」の会見が7月25日、東京・Bunkamuraで行われ、来日を果たした中国の名匠ジャ・ジャンクー、主演を務めたチャオ・タオ、プロデューサーの市山尚三氏が出席した。

ひと組の男女がたどる2001年から17年間の物語を、変わりゆく中国を背景に描いた人間ドラマ。ジャ・ジャンクー監督の公私にわたるパートナーであるチャオ・タオが主人公チャオ、「薄氷の殺人」のリャオ・ファンが恋人ビンを演じている。

「15年に製作した『山河ノスタルジア』は時間のスパンは長く、物語が未来にまで及んでいた。今回も非常に長い時間をかけた物語を描いていますが、まず考えたのは“現代の我々の姿”」と語ったジャ監督。「中国は今、激烈な変化をとげている最中です。経済、政治の変化が、人々に直接影響している。『自分はどんな世界で生きているのか?』という思考を経て、私はマクロな視点で人間を見るという方法を考えたんです。長いスパンのなかで“人間を観察する”。歴史のなかで人間を理解していく――17年間という歳月は、必要な時間だったんです」と作品に込めた思いを述べていた。

さらに、物語のスタートラインとなる“01年”について「(中国の)ターニングポイント。WTO(世界貿易機関)の加盟、北京オリンピックが決定した年であり、インターネットが社会に広がっていった」と振り返る。「(本作は)ラブストーリーでありつつ、01年を起点とした『古い世界から新しい世界への移行』を描きました」と話し、脚本の初稿段階での構想を明かした。

ジャ監督「現代中国の裏社会の人々を描きたいと思ったんです。彼らは社会の底辺を構成する人々の一部。しかし、初稿を書き上げた際に(01年を舞台にした)『青の稲妻』と、(06年に製作した)『長江哀歌(エレジー)』では、彼らのことをきちんと描き切れていなかったと感じたんです。『青の稲妻』のチャオチャオは相手とどのように愛し合い、別れたのか。『長江哀歌(エレジー)』の音信不通の夫を探す女性は、なぜ離婚へと至ったのか。本作では、“内面”をラブストーリーとして描こうと思った。両作の人物をチャオ・タオが演じているので、『帰れない二人』を含めた3作を1本の映画として撮ろうとしたんです」

すると、チャオ・タオは「衣装は(ジャ監督の)過去作を踏襲しています。例えば『青の稲妻』に登場した薄いピンクの上着を想起させる衣装を、今回も羽織っています。『長江哀歌(エレジー)』のワンピースも着用しています」と告白。「このような小道具は、演技の手助けとなりました。もちろん以前の作品で演じた人物の“人生”を継承はしていますが、全く違う人物として演じています。しかしながら、『長江哀歌(エレジー)』のワンピースを着ると、その際に演じたキャラクターに“戻っていった”という感覚がありましたね」と撮影を述懐していた。

市山氏は「中国国内では、ジャ・ジャンクー作品のなかで一番お客さんが入った映画になりました。驚くべき点は、アメリカでの反響。アジア系アート作品のマーケットは限られているので、“ベスト10入り”という訳ではないですが、一番好成績だった『罪の手ざわり』の倍以上、人が入っている」と説明。「ジャ・ジャンクー監督の“集大成”とも言える作品ですが、ストーリーが非常にわかりやすい。登場人物に寄り添った形になっているので、その点がアメリカで大きく評価されているのかもしれない」と分析していた。

帰れない二人」は、9月6日から東京のBunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。

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