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孤高の“地下芸人”横須賀歌麻呂の半生を描く大塚恭司監督作 柳ゆり菜、コムアイ、村上淳共演

2019年7月9日 11:00

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過激な芸風をストイックに追求する地下芸人の“帝王”横須賀歌麻呂
過激な芸風をストイックに追求する地下芸人の“帝王”横須賀歌麻呂
(C)2018 映画『東京アディオス』製作委員会

[映画.com ニュース]実在する孤高の“地下芸人”横須賀歌麻呂の半生を描いた映画「東京アディオス」が、10月11日から公開されることがわかった。大ヒット番組「Mr.マリック超魔術シリーズ」やドラマ「女王の教室」を手掛けてきた大塚恭司が映画監督デビューを果たし、本人役の横須賀をはじめ、柳ゆり菜、「水曜日のカンパネラ」ボーカルのコムアイ村上淳らが共演している。

物語の舞台は、テレビにも出ず、事務所にも所属しない、全く売れない地下芸人たちだけが生息する「お笑いアンダーグラウンド」。過激な芸風をストイックに追求する横須賀は、“帝王”と呼ばれ尊敬を集めていた。絶好調のライブに必ず現れる女性ファンが横須賀の創作意欲を支えていたが、バイトで食いつなぎながら単独ライブの経費を支払わなければならない過酷な現実に、精神的にも肉体的にも追いつめられていく。現実と幻想、愛と暴力、破滅と救済などあらゆる矛盾を脳内に抱え込む横須賀は、やがて狂気と妄想に取り憑かれていく。

大塚監督に「過去35年間で出会った中で最高に面白い芸人」と言わしめる横須賀は、テレビへの出演歴は皆無ながら、自らの芸風を極めていく姿勢で実際に“帝王”の異名を持つ、地下芸人の代表的存在。「下ネタは邪道だと言う人がいますが、誰がそんなこと決めたんでしょうか? 誰も傷つけない笑いは素晴らしいと思いますが、罪深き人間の『業』をネタとして笑い飛ばすのが笑いの王道です。下ネタは古典であり、ワールドスタンダードであり、何より生活の一部です」と語り、「人間の『業』を描いた『東京アディオス』を楽しんでください」と力強くアピールした。

純平、考え直せ」で知られ、横須賀のミューズを演じる柳は「とんでもない映画ができてしまいました。一人の男の人生の虚しさ、どうしようもなさ、ちょっとした生き甲斐をこれでもかというほど濃厚に描いた作品です」と思いを明かす。「ある船頭の話」が控える村上は、横須賀の印象を「やはり芸人さんだけあり芝居が素敵。初号試写の帰り道。自分なんてつくづく凡人だなと打ちひしがれて帰路に着いたのを忘れません」とコメントを寄せた。

笑いに身を捧げた男の妄想劇を紡ぐ大塚監督は、「出会ってから15年、シナリオを書き上げてから8年、横須賀は横須賀のまま、この映画を待ち続けてくれた。この時代にこんな芸人がいたということを、映画という形で残したい。それが私の原動力だった。横須賀歌麻呂という存在、横須賀歌麻呂という生き方、横須賀歌麻呂という魂を、是非映画館で目撃していただきたい」とメッセージを残している。

東京アディオス」には、ほか舞台を中心に活躍する占部房子、地下芸人からゴールデンタイム進出を果たしたチャンス大城、劇団「カムカムミニキーナ」の藤田記子、大塚監督が抜てきした新人俳優・柴田容疑者が共演。「東京ブラボー」「KINOCOSMO」のギタリスト、ブラボー小松が本作で初めて映画音楽を担当している。10月11日から東京のシネ・リーブル池袋で公開。

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