RADWIMPS野田洋次郎、“最後”のような気持ちで臨んだ「天気の子」は「攻めている」
2019年7月2日 20:20

[映画.com ニュース] 新海誠監督の最新作「天気の子」の製作報告会見が7月2日、東京・六本木の東京ミッドタウンホールで行われ、新海監督をはじめ、声優を務めた醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、音楽を担当した「RADWIMPS」(野田洋次郎、桑原彰、武田祐介)、プロデューサーの川村元気氏が出席。会場には多数の報道陣に加え、抽選によって選ばれた約100人のファンが参加した。
会見冒頭では、巨大なLEDビジョンによって、スペシャル予報(https://youtu.be/DdJXOvtNsCY)が披露され、主題歌全5曲のタイトルも発表。既に明かされていた「愛にできることはまだあるかい」「グランドエスケープ(Movie edit)feat.三浦透子」に加え、「風たちの声(Movie edit)」「祝祭(Movie edit)」「大丈夫(Movie edit)」が使用される。なお、本日時点で世界140の国と地域での配給が決定。この数字は、世界135の国と地域で配給された「君の名は。」を超え、東宝配給作品としては、公開前の規模として過去最大のものとなる。

製作状況について問われた新海監督は、「今でもスタッフが全力で作業中。とても良い状態のフィルムになっていると思います」と説明。野田との音楽に関する作業もまだ控えているようだが「こんな風にギリギリまで作業が許されるのは、なかなかないこと。『君の名は。』をたくさんの人に見てもらえたからこそ、いただけた状況でもあります。前作に助けてもらえている気がしています」と語り、川村氏は世界配給について「インドでは上映を求める5万人の署名が集まったので、現在(上映を)調整です。前作を届けられなかった国にもどんどん広がっていくのではないかと思っています」と補足していた。
新海作品の歴史を振り返り、新作「天気の子」へと繋がっていくスペシャル予報を見た森は、涙を流しながらステージに登壇した。「自分が(新海作品の)歴史の後継者なのかと思うと、(涙が)こみあげてきました」と話すと、醍醐は「僕はきちんと見てしまうと感動してしまうと思ったので……、泣きたくなかったんです。だから、しっかりとは見れませんでした」と打ち明けた。そんな2人を温かな眼差しで見守っていた本田は、MCと新海監督から“意外な姿”を暴露されてしまった。アフレコ現場でのスタイルは、スッピン&裸足。「できるだけ“素の自分”に近い状態で演じたかったんです。靴は脱いで、化粧は絶対に落としていました」と赤面しながらも、役作りへのこだわりを語っていた。
「君の名は。」に続き、新海監督と再タッグを組んだ「RADWIMPS」。野田は脚本について「新海さんらしいなと思いつつ、意外性もあったんです。僕はわかりやすくマスに向けた物語を描かれるのかなと思っていたですが、すごく攻めている。この物語はきっと賛否を巻き起こすという展開が見えたし、だからこそ、新海監督のことがいっそう好きになったんです。自分のやりたいことに対して、物凄く正直な方。驚かされたし、嬉しかったです」と思いの丈を述べた。

昨年のクリスマスシーズンには、主題歌を1曲増やすという決断を下し、三浦透子をボーカルに起用するなど、「君の名は。」との差別化を意識した野田。「僕ら自身『この物語はどうなるんだろう』とハラハラしながらも、ゴールを見てみたくて。毎日のように新海監督とメールをしていましたが、そのプロセスは、ただライブや音楽を作っているだけではたどり着けない境地。最初の頃に『今回は“最後”のような気持ちでやります』と伝えました。そうじゃなければ乗り切れる気がしなかったんです」と語っていた。
“聖地化”の可能性を秘めたロケーションについて質問が飛ぶと、新海監督は「実は(回答の)NG項目に入っていて…言えないんですよ」と苦笑い。そう前置きしたうえで「ひとつ言えるのは、家出少年の帆高が東京を発見していく話でもあるんです。架空の場所をミックスしながら、色んなロケーションがたくさん出てきます。路地裏のような場所から観光スポットのようなところまで。それらの場所が、(普段とは)違う輝きを放つような絵になっていればいいなと思っています」と答えていた。
「天気の子」は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年・森嶋帆高(醍醐)と少女・天野陽菜(森)が自らの生き方を“選択”する物語。7月19日から全国公開。
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