「今でも五月革命の存在感は大きい」現代社会に憤る女性を自身で演じた新鋭監督に聞く
2019年6月22日 23:48

[映画.com ニュース]フランスの最新映画を紹介する「フランス映画祭2019 横浜」が、横浜・みなとみらい地区で開催中だ。6月23日に上映される「マイ・レボリューション」は、社会運動家の両親に育てられ、自身も現代社会の変革を理想とするが、家族関係や恋愛など等身大の私生活の悩みも抱える30代女性を描いた物語。来日したジュディス・デイビス監督に話を聞いた。
私は5人のメンバーの全員が役者、脚本、演出をする演劇グループに所属しており、10年以上前に上演した作品を今回映画化したいと思ったのです。そして私が主人公を演じるにあたって、家族という視点を入れ、私自身が普段感じていること、社会に対する怒りを反映しました。一人の女性の政治的な取り組みと私生活、どうバランスをとっていくのかを描きました。
社会の何かに怒りをもち、活動する女性はフランスではタブー視されません。アンジェラほど怒りっぽい人は多くはないと思いますが、モダンなヒロイン像として、エネルギーを持ち、信念を貫く女性を描きたかったのです。フィクションですので、感情表現を大げさにし、こっけいな感じを出しています。そして、家族や恋愛など個人的な私生活の悩みも持つ人間として描いています。

五月革命の存在感は今でも大きいです。この映画では、68年の革命に触れてはいますが、その特有の現象ではなく、政治的な発言や活動が自由にできた時代全体へのノスタルジーを描いています。私は1980年代に生まれ、なにか社会運動やデモをやろうとすると、必ず五月革命に比較されてしまい、遅く生まれてしまったというコンプレックスがある世代とも言えます。
また、90年代からがらりと世界が変わって、理想を語ったり、ユートピアを目指して生きることができなくなってしまいました。私より後の世代、現在の20代は政治的イデオロギー云々よりも、今の現実、環境問題や移民問題について発言し、活動できているのです。私は新旧の世代に板ばさみの世代だと感じます。そういった環境の違いは面白いと考え、今回の作品のテーマにしました。
フランス映画界の良い面は、作家主義映画が存続できる余地があること。映画という枠組みの中で、自分の語りたいことを語ることができるのです。グローバリゼーションが進み、世の中の見方や視点が似通ったものになりがちですが、フランス映画では自分とは異なる視点や感性でも表現の場を与え、好奇心を持って見ることができ、多様性を示すことができるのです。
「マイ・レボリューション」は6月23日、イオンシネマみなとみらいで14時15分から上映。「フランス映画祭2019 横浜」(http://unifrance.jp/festival/2019/)は、23日まで開催。チケットは発売中。
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