井浦新が明かす、映画作りの本質 「嵐電」での芝居は「宝物」
2019年5月25日 14:45
[映画.com ニュース] 俳優・井浦新の主演映画「嵐電」の公開記念舞台挨拶が5月25日、東京・テアトル新宿で行われ、井浦と共演の大西礼芳、安部聡子、金井浩人、窪瀬環、石田健太、村井崇記、藤井愛稀、岡島由依、鈴木卓爾監督が登壇した。
映画版「ゲゲゲの女房」の鈴木監督がメガホンを取った本作は、京都市街を走る路面電車・京福電鉄嵐山線(通称らんでん)を舞台に、交錯する3つの恋を幻想的に描いたラブストーリー。主人公のノンフィクション作家・平岡衛星を演じた井浦は、客席を見渡し「今日はお暑い中、ご乗車ありがとうございます」と挨拶した。
そんな中、鈴木監督が「昨日、初日の上映があった時にサイン会をしたんですが、お客さんから『街中で演劇を見ているような不思議な映画でした』と言われて、納得しましたね」と切り出すと、井浦も「卓爾さんがご自身で書かれた台本でありますが、監督が『僕もこのシーンが分からないから、みんなでやってみましょう。僕も分からないんで、だからあなたたちに演じてもらいたいんです』といった言葉が印象に残っていて。その分からない言葉に突き動かされていたし、これが映画作りの本質だなと。それをこの映画でやれて、ものすごく素敵な時間でしたし、そこでやれた芝居は宝物のような芝居だったなと思います」と付け加えた。
それを受けた鈴木監督は、「先ほど劇団と言ったけど、映画を撮るモチベーションは俳優の芝居が見たいというものがある」と振り返ると、「映画というのは俳優の一瞬一瞬をカメラをまわして作るもの。この映画の芝居で生き生きしているなと思ったところを迷いながら、探しながら出したのがこの映画になっていると思います」と振り返った。