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空族・富田克也最新作「典座 TENZO」カンヌで上映  僧侶たちと震災後の信仰のあり方語る

2019年5月22日 12:10

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3・11以降の日本における仏教の意義、 そして信仰とは何かを探求した
3・11以降の日本における仏教の意義、 そして信仰とは何かを探求した
(C)全国曹洞宗青年会

[映画.com ニュース] 第72回カンヌ国際映画祭批評家週間「特別招待部門」に選出された空族・富田克也の最新作「典座 TENZO」が5月20日(現地時間)に公式上映され、富田監督、製作・出演を務めた全国曹洞宗青年会の河口智賢、倉島隆行らが出席した。

映画は、富田監督が全国曹洞宗青年会から依頼を受け、道元禅師が遺した「典座教訓」を軸に、 3・11以降の日本における仏教の意義、そして信仰とは何かを探求した作品。富田監督は「かつて日本は世界第2位の経済大国と言われ、仏教は葬式の時のものでした。ただ、2011年に起きた東日本大震災による津波の被害、そして原発事故によって、日本は大きな危機を迎えました。それ以降、彼ら僧侶たちは皆から必要とされ始めているように感じていると言います」と解説、映画を製作した動機として「今こそ、私たち日本人は変わらなければいけない。加えて、仏教界も変わらなくてはいけないという彼ら僧侶たちの思いを映画に込めました」と力強い口調で語った。

製作と出演を兼務した僧侶の河口も「カンヌ映画祭とご縁を頂いて本当に心から感謝しています。私たち日本人は8年前に深い悲しみを迎えました。その中で、私たち僧侶ができることは何なのか、それを日々考えてきました。私たち僧侶もひとりの人間です。時に苦しみ、葛藤しながら日々生活をしています。それでも、いつも人々の心に寄り添う仏教の 素晴らしさを伝えたいと言う思いで、この映画を製作しました」と話した。

このほど公開された海外版特報では、ラッパー・NORIKIYOの楽曲「1人の人として」に乗せて、自殺未遂を繰り返す女性の「いのちの電話」を受ける僧侶の河口。そして東日本大震災の津波で寺も檀家も無くし、土木作業員として働く倉島の姿を捉えている。

典座 TENZO」は今秋公開予定。また、同じく今秋にフランスでも150館以上で公開される予定だ。

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