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2019年カンヌ映画祭、コンペ前半はアルモドバルと仏女性監督作に高評価

2019年5月22日 18:00

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ペドロ・アルモドバルの「Pain and Glory」に出演したペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラス
ペドロ・アルモドバルの「Pain and Glory」に出演したペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラス
Photo by Pascal Le Segretain/Getty Images

[映画.com ニュース]5月14日に始まったカンヌ国際映画祭も折り返し地点を迎え、下馬評が上がり始めた。前半で評価が高いのは、ペドロ・アルモドバルの「Pain and Glory」と、フランスの女性監督セリーヌ・シアマの「Portrait of a Lady on Fire」。

アルモドバルは、彼の自伝的な物語をアントニオ・バンデラス主演で映画化したもの。心身ともに不調に陥った映画監督が、アーティスティックなエゴと孤独のあいだで揺れる心情を、この監督らしい映像表現とともに率直に語り、胸を打つ。カンヌ常連でありながら未だパルムドールに輝いていないアルモドバルだけに、本作の受賞を期待する声も多い。

日本で劇場公開されたのは「水の中のつぼみ」(08)のみのシアマだが、フランスでは評価が確立された監督だ。長編4本目で初のコンペティション入りとなった本作は、18世紀の女性画家を主人公に、彼女が描くモデルの娘との恋愛関係を繊細に、情感豊かに綴る。プライベートでも監督のパートナーであるアデル・エネルと新鋭ノエミ・メルランの共演が瑞々しい感動をもたらす。

評価を分けた注目作は、初長編の新人監督ラジ・リの「レ・ミゼラブル」と、テレンス・マリックの「A Hidden Life」である。ビクトル・ユゴーの作品から題名を拝借した前者は、現代の治安の悪いパリ郊外の街を舞台に、ある事件をきっかけに警察と地元の青少年達の衝突が起こり、それが暴動に発展するさまを描く。ストーリーはマチュー・カソビッツの「憎しみ」の現代版とも言えるが、映画のスタイルはきわめてドキュメンタリータッチ。それだけに、終盤に過激な暴動に発展するシーンは、そこまで描く必要があったのか、そのことによって逆に映画が紋切り型となり、観客の受け取り方を狭めてしまう印象が拭えない。だが、DJとしても知られるリ監督の知名度もあってか、アメリカではアマゾンによって配信されることが決まったという。フランス社会の現状をダイレクトに反映したテーマだけに、「今年のカンヌの最初のショック」と評された。

実話をもとにしたマリックの作品は、第2次大戦下で最後までナチのために戦うことを拒否したオーストリアの農民の物語だ。マリック的な流麗なカメラワークとキャラクターの心情を語るナレーション・スタイルゆえに、好みが分かれた印象で、支持派にはパルムドールに推す声が多い。マリックの近作はいささかセンチメンタリズムに流れる傾向があったが、本作は戦争をテーマに、命を掛けて信念を貫く主人公の姿と、彼を支える妻の葛藤が描かれ、鮮烈できりきりとしたエモーションをもたらす作品になっている。(佐藤久理子)

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