北原里英×小島藤子×浅川梨奈“夜の”としまえんで見せたハイテンションな芝居
2019年5月11日 08:00
[映画.com ニュース] 東京・練馬区にある遊園地「としまえん」の全面協力を受け、ほぼ全編を同所で撮影した新感覚ホラー「映画 としまえん」が公開中だ。「AKB48」グループ卒業後初の主演映画に挑んだ北原里英、共演した小島藤子、浅川梨奈に、夜の遊園地というシチュエーションでの撮影秘話、そして今後の展望について話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/堀弥生)
女子大生の辻本早希(北原)は、高校時代の仲良しメンバーとともにとしまえんにやって来た。噂になっていた「としまえんの呪い」を軽い気持ちで試したところ、次第に恐ろしい怪現象に襲われ、メンバーはひとり、またひとりといなくなっていく。呪いを解くためには、遊園地内であることをしなければならない。無我夢中で逃げ回る最中、早希は呪いが誕生したある秘密を知る。
仲良し女子大生グループを演じるのは、早希役の北原、グループのリーダー的存在・杏樹役の小島、クールなオカルト女子・千秋役の浅川のほか、松田るか、さいとうなりというフレッシュな面々。「(グループを)卒業したあともまた可愛い子たちに囲まれるのか!」というプレッシャーがあったという北原は、「(撮影が)本当に卒業後すぐだったので、1人で活動する世界にけっこうビビっていたんですよ。ほぼ同年代の女の子たちだけの映画って初めてだったので。しかも、経験も浅いのに主演だから、皆に『なんで北原が』って思われたらどうしようって。不安で、けっこう人見知りしていました」と胸中を明かす。
しかし、現場の雰囲気は和気あいあいとしたものだったそう。1週間という短い撮影期間ながらも、冒頭のアトラクションで遊んでいるカットの無邪気な表情から、楽しい空気が伝わってくる。
北原「(5人で)ずっと仲良くしていたよね、ずっと笑っていました。1週間とは思えないくらい、青春したなあ。遊んでいるシーンは素で楽しんでいます。梨奈ちゃん、バイキングとかすごくビビっていましたからね。キャラクターと全然違う感じ、千秋はあんなにビビらないはずなんですけど」
浅川&小島も北原に続き、「千秋は絶叫が苦手で、(松田扮する)亜美はお化け屋敷が苦手で……、(裏設定を)監督が作ってくれたので、ビビることができましたね」(浅川)、「ゴーカートに乗るシーンで、お互いにぶつかってキャーキャーしているところが撮りたいっていうことだったので、自らぶつかりに行った」(小島)と懐かしそうに振り返る。ゴーカートに乗る1人1人の表情を撮影するため、1時間にわたり繰り返し運転したといい、北原が「(あのシーンは)コスパの悪さ、No.1ですね(笑)」と言い放つと、3人は爆笑に包まれた。
そんな楽しげなシーンからは一転し、華やかできらびやかなアトラクションが、普段とは違った面を見せる「夜のとしまえん」。呪いを試す恐怖の舞台となるのは、「古い洋館の扉」「お化け屋敷」「ミラーハウス」「メリーゴーランド」というラインナップだ。
北原は「普段入れない夜の遊園地は新鮮で、ちゃんと怖い雰囲気になりますね、誰もいないと。私はお化け屋敷よりミラーハウスの方が怖いなって思っていました。怖くなかった?」と2人の顔をのぞきこむ。対照的に小島はミラーハウスがお気に入りだったようで、「私がずっと(ミラーハウスに)隠れていて、2人が来た時にいろんな出口から現れたりして……」と裏話を披露。北原&浅川が「楽しかったね、あれ!」と盛り上がると、「(夜の撮影で)疲れているからテンションぶちあがっちゃって! 何が楽しいのか分からないくらい」(小島)と、レアなシチュエーションがキャスト陣のテンションにも作用していたことを明かした。
最後に、今後の活躍が期待される3人にこれからの展望を聞いてみた。
北原「やっぱり1年目はまだ恩恵を受けていたなというか、甘えていた部分もあると思う。2年目以降は個人の実力が求められるので、去年以上に1つ1つのことを真剣にやっていかないとな、と思っています」
浅川「(1月に『SUPER☆GiRLS』を卒業して)ゼロからの環境に身を置かせてもらっている気分なので、すごい自分にとって良いことだなと思いますし、仕事の内容もやっぱりちょっとずつ変わってきているというのも感じていて、それに合わせて自分も成長していかなきゃいけない。改めて芝居力をゼロから勉強していきたいなって思っています」
小島「今は何も考えずにお芝居をしていることが多いので、もうちょっと計画的に(演技を)しようかなって。25歳になるので、大人っぽい役がやれるといいですね」
本作で、呪いや都市伝説だけではなく、仲良しグループに潜む複雑な人間関係を体現し、様々な恐怖を紡いでみせた3人。「夜のとしまえん」という特異な状況下の撮影できずなを深めたようで、それぞれ女優業への強い決意をにじませながら、さらなる飛躍を誓い合っていた。
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