1組の男女が辿る18年間――中国の名匠ジャ・ジャンクー新作「帰れない二人」今秋公開
2019年3月25日 12:00
[映画.com ニュース]「罪の手ざわり」「山河ノスタルジア」で知られる中国の名匠ジャ・ジャンクーの最新作「アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト(英題)」が、「帰れない二人」の邦題で今秋に日本公開されることが決定。あわせて、場面写真がお披露目された。
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された本作は、1組の女と男が辿る2001~18年を、変わりゆく中国を背景に丁寧に紡ぎだした作品。ジャ監督にとって5作目のカンヌ出品作であり、上映時には「皮肉と華麗さに加え、密かにロマンチックなフィルム・ノワール。ジャ・ジャンクーは中国の偉大な映画作家だ」(テレラマ誌)、「中国の下層社会を背景に複雑に絡み合うロマンチックな悲劇」(ガーディアン誌)など、海外メディアから多くの称賛を集めた。
山西省大同。チャオは、裏社会で生きる男ビンの恋人だ。ある日、敵対する組織に襲われたビンを助けるために、彼女は銃を発砲する。5年後、刑期を終えて釈放されたチャオは、ビンを探すために長江へ。しかし、かつてのビンの姿はそこにはなかった……。
主人公チャオに扮するのは、ジャ監督のミューズであるチャオ・タオ。本作の演技が評価され、第54回シカゴ国際映画祭、第12回アジア太平洋スクリーンアワードでは女優賞を獲得している。チャオの恋人ビン役は、「薄氷の殺人」(ディアオ・イーナン監督)で第64回ベルリン国際映画祭男優賞を獲得したリャオ・ファンが演じている。
「帰れない二人」は、今秋に東京のBunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。