二宮和也「ついに捕まった」妻夫木聡と初共演! 中野量太監督「浅田家」で実在の兄弟演じる
2019年2月28日 05:00
[映画.com ニュース] 「湯を沸かすほどの熱い愛」で映画賞を総なめにした中野量太監督の最新作が「浅田家(仮)」に決まり、二宮和也と妻夫木聡が初共演を果たすことがわかった。実在の兄弟役を演じるふたりは、中野監督とも初タッグとなる。
今作は、写真家・浅田政志氏の2冊の写真集が原案。第34回木村伊兵衛写真賞(2008年度)を受賞した「浅田家」は、両親と兄、自分の4人家族を被写体に、“家族でやってみたいこと”としてバンドマン、消防士、ラーメン屋などになりきった姿を収め、思わず笑みがこぼれてしまうほど仲睦まじい光景が大きな反響を呼んだ。もう1冊は、東日本大震災の津波で泥だらけになったアルバムや写真を洗浄し、元の持ち主に返すボランティア活動をする人々を約2年にわたり撮影した「アルバムのチカラ」だ。
中野監督は約4年前、小川真司プロデューサーから「浅田家」を手渡されたそうで「そこに写っていたのは、今まで見たこともないくらい奇抜でヘンテコな家族で、なのに、どこかおかしくて、ホッとして、懐かしくて。ずっと家族を映画で描いてきた僕にとって、堪らなく魅力的な家族だったんです」と当時の思いを明かす。それだけに、「映画の中に嘘なく存在して欲しい、人を惹きつける優しさと憂いを持っていて欲しい」など、キャスティングには強いこだわりがあった。だからこそ「浅田家の兄弟役のオファーを、希望通りの二宮和也さん、妻夫木聡さんに受けていただき、ほくそ笑んでいます」と撮入を心待ちにしている。
映画では、4人家族の次男坊として育ち、幼少期から写真を撮ることが好きだった写真家・浅田政志を主人公に、身近でかけがえのない存在を写真に撮ることの意味、写真に残すという行為そのものの意味を問いかけていく。実話をベースにオリジナル要素を加えながら、政志が東日本大震災という未曾有の天災を通して、それでもなお家族写真を撮ることに向き合い、成長する姿に迫っていく。
3月にクランクインを控えている二宮は、中野監督について「とにかく愛情にあふれた監督なんだろうなと作品を拝見してそう思っていました。実際に一緒にロケ現場を下見に行った時も色々説明して頂いた姿が、本当にこの作品に対する愛情が伝わってきて、期待に応えられるよう頑張ろうと思いました」と語る。初共演となる妻夫木に対しては、「一緒に演じると自分の粗が目立つので、なんとなく捕まらないように逃げていたのですが、ついに捕まったか。という感覚です(笑)。しかし、こんな機会も滅多にないので目いっぱい楽しみたいと思っております」とウィットに富んだコメントを寄せている。
一方の妻夫木は、自由奔放ながらどこか憎めない弟を温かく見守り、コスプレ写真の依頼にもいやいや付き合う心優しい兄・幸宏に扮する。実在する人物を演じるにあたり、「『政志と僕が仲が良いことが最大の親孝行』。お兄様から頂いたこの言葉が胸に響きました。自分の幸せより誰かの幸せを願うことは簡単なことではありません。その思いやりの心を胸に精いっぱい浅田家を愛すること、それだけです」と胸中を告白。二宮とは初めて対峙することになるが、「ようやくご一緒できる喜びを感じています。ずっと近くにいるのになかなかご縁がなかった二宮さん。感受性が豊かな二宮さんならば、政志を自由に、魅力的に演じてくれると信じています。僕はそんな二宮さんをそっと隣で支えていければと考えています」と話している。
「浅田家(仮)」は、2020年に全国で公開。
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