「男性も生理に理解を」震災時の生理用品不足を例に専門家が呼びかけ
2018年11月26日 21:43

[映画.com ニュース]現代のインドで生理用品の普及に人生を捧げた男の実話を映画化した「パッドマン 5億人の女性を救った男」の公開シンポジウムが11月26日に東京・渋谷の国際連合大学で行われ、「公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン」の理事を務め、国際協力とジェンダーの専門家である大崎麻子氏が登壇した。
インドの小さな村で新婚生活を送るラクシュミは、貧困のため生理用品が買えない妻のため、清潔かつ安価なナプキンを手作りすることを思いつく。研究とリサーチに明け暮れるラクシュミだったが、村中の人々や家族から批判され、ついには妻と離ればなれに。数々の困難に直面しながらも諦めないラクシュミは、その熱意に賛同した女性パリーの助けを借り、やがて低コストでナプキンを大量生産できる機械を発明する。
大崎氏は冒頭で、「発展途上国では、中学校くらいだとまだまだ女の子の就学率が低いんです。それは女の子の意欲や能力の問題ではなく、やはり女の子特有のハードルがあるんですね」と解説する。「まずは、水汲みやたきぎ集めなどの家事労働で、就学が中断されてしまいます。次に学校に男女別の清潔で安全なトイレがなく、暴力のリスクが高いこと。最後は今回の映画のテーマでもある生理の問題」と、女性の就学を妨げる主要な3つのハードルを紹介。なかでも生理の問題にフォーカスし、「女の子が学校に来なくなる時期が初潮の頃で。世界的な統計を見ますと、東南アジアでは女の子の3分の1が生理中は学校に行かない、人によっては就学をやめてしまうこともあります」と、生理用品の整備と女性の地位向上には重要な関係があることを訴えた。
さらに2016年の熊本地震の際の生理用品をめぐるエピソードにも話が及ぶ。「支援に駆けつけた時にテレビ中継の機会がありました。その時にスタジオから『避難所で女性が必要なものは何ですか?』と聞かれて、一緒に出演していた荻上チキさんという男性が『生理用品です』と答えて、中継後に『男性が言うことが重要だと思ったんです』と言ってくれました」と振り返る。当時、避難所の生理用品不足が話題になったが、大崎氏は男性も生理のことを知り女性の身体への理解を深めることで、対等なパートナーシップを築いていくことが重要性だと語った。
大崎氏は本作に「Mind」というキーワードが様々な場面で登場するといい、「インドというのは10億人の人口を有していると見るのではなく、10億のMinds(頭脳)があると見るべきだ。そこにイノベーションの様々な可能性がある」という劇中のセリフに注目。「映画には2つのイノベーションが出てきます。生理用品を開発する技術革新と、社会意識や固定観念にとらわれないマインドセットです。便利な生理用品ができても、問題解決のためにはマインドセットが大切です」と、力強くメッセージを送った。
「パッドマン 5億人の女性を救った男」は、12月7日から東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開される。
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