徴兵逃れた芸人の男とチャップリンを重ねたカナダ映画監督「世の中は地獄化している」

2018年11月1日 15:00

マキシム・ジルー監督(左)と 俳優のマルタン・デュブレイユ
マキシム・ジルー監督(左)と 俳優のマルタン・デュブレイユ

[映画.com ニュース] 第31回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されたカナダ映画「大いなる闇の日々」が11月1日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、マキシム・ジルー監督、俳優のマルタン・デュブレイユが会見した。

第2次世界大戦中、芸人の男が故郷カナダに帰ろうと試みるが荒れ地の中で交通手段を失う。親切な男に助けられるが、行く先には意外な落とし穴が待っていた。壮大な風景と主人公の過酷な環境を鮮烈な映像で描きだす。

ジルー監督は「今、世の中は地獄化していると思ったのでこの映画を撮りました。当時の世の中を批判してチャップリンは自由、寛容さを訴えるスピーチをしましたが、状況は70年たっても変わっていないということを言いたかったのです」とテーマを説明。そして「同時にチャップリンは資本主義に加担していた。ハリウッドでお金を作る機械として、彼もその一部だったのが皮肉。私自身も仕事でテレビコマーシャルも撮っています。資本主義の象徴のようなことを私もやっています」と理想と現実の矛盾を語った。

主人公が徴兵を逃れてきたという設定は「当時ケベックはアメリカに徴兵を逃げる人が多かったのです。ケベックではハリウッドでの成功や英語での生活が憧れ。今でもそういう流れがあるので、ケベックの文化の英語化を危惧しています」と歴史的背景とフランス語圏ケベックの現状について話した。

主演のデュブレイユは「この映画の話が来たとき、チャップリンの役が出来る、夢がかなったと思いました。私は肉体的な俳優で、道化のような演技をしたかったのです。しかし、監督から、主人公は戦争から逃げるために道化をやるのだ、あんまりチャップリンらしくしないでほしい。できれば映像も見ないでほしいといわれたので、チャップリンを上手に演じるなという指示がありました」と役作りと監督からの演出を明かした。

第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。

(映画.com速報)

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