アカデミー賞外国語映画賞の投票ルール変更 「万引き家族」への影響は?
2018年10月21日 12:00

[映画.com ニュース] アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が外国語映画賞の審査方法を改正したと、米The Wrapが報じている。
外国語映画賞のノミネート5作品を選出するために、AMPASは2段階の選考を行っている。フェーズ1と呼ばれる第1段階は、一般委員会(General Committee)と呼ばれるグループによって選考される。一般委員会は、ロサンゼルス在住で外国語映画の審査を希望するAMPAS会員によって構成され、複数のグループがそれぞれ十数作品を鑑賞したうえで投票。上位6作品を選出し、さらに上級委員会(Executive Committee)というグループが3作を追加し、計9本が最終ノミネート候補作品となる仕組みとなっている。
フェーズ2では、従来はロサンゼルスから20人、ニューヨークとロンドンでそれぞれ10人の計40人のAMPAS会員が選考を行っていた。ロサンゼルスの20人のうち、10人は一般委員会のなかからランダムに抽出され、残りの30人は上級委員会が指名。彼らが最終候補の9作品すべてを鑑賞したうえで投票し、ノミネートの5作品が決定していた。昨年はサンフランシスコが追加されたほか、インターネットのストリーミング鑑賞を通じて外国人会員も投票に参加できるようになっている。
しかしこの方法では、審査に最も長い時間を費やすロサンゼルス在住の一般委員会メンバーの選考が軽視されているとの批判があった。そこで今年からは、一般委員会を通じて12作品以上を鑑賞したAMPAS会員は、無条件でフェーズ2の審査に参加できることになった。従来、フェーズ2の審査員の大半は上級委員会のメンバーが指名していたため、玄人好みの芸術性が高い作品が優先されるきらいがあったとされる。今回のルール改正により一般委員会のメンバーがフェーズ2に数多く参加できるようになったため、一般観客受けしやすい作品がノミネートされる可能性が高くなったといえる。
今年の一般委員会向けの上映会は、10月15日に「万引き家族」(日本)と「Iskra(原題)」(モンテネグロ)の2本立てでスタート。12月10日までに計87作の上映が行われる。アカデミー賞外国語映画賞の最終候補9作品の発表は12月17日、ノミネート発表は2019年1月22日に行われる。
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