映画ソムリエ・東紗友美「クリミナル・タウン」の魅力は「A・エルゴートのふてぶてしさ」
2018年7月14日 14:15
[映画.com ニュース] 映画ソムリエとして活動する東紗友美氏が7月14日、東京・新宿シネマカリテで行われた「クリミナル・タウン」のトークイベントに登壇した。
アンセル・エルゴートとクロエ・グレース・モレッツが共演し、サム・マンソン氏の小説「NOVEMBER CRIMINALS」を映画化。ワシントンD.C.に暮らす冴えない男子高校生アディソン(エルゴート)は、親友のケヴィンが銃殺されたという知らせを受けるが、「不良の黒人少年がギャングの抗争に巻き込まれただけ」と捜査は早々に打ち切られてしまう。優等生だったケヴィンがギャングにかかわるはずがないと考えるアディソンは、幼なじみのフィービー(モレッツ)とともに、独自に調査を開始する。
特集企画「カリコレ2018」(カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018)のオープニング作品として先行上映された「クリミナル・タウン」。東氏は「ワシントンD.C.を舞台にした犯罪映画は数多く製作されているんですが、大体が“ホワイトハウス系”であったり、最近で言えばロビイストが出てくる作品が多いんです。この作品は普通の高校生たちが捜査をするというかなり珍しいタイプ」と分析。「ワシントンD.C.は公的機関がいっぱいあるのにも関わらず、比較的犯罪が多い地域。意外な“裏の顔”が垣間見えるはずです」と語っていた。
「全人類で一番好き」「神が授けられるものの全てを与えられた男」と評すほど、エルゴートの大ファンである東氏。家柄の良さ、高身長、音楽の才能、恋人への接し方など、次々と魅力を説明しつつ、「この作品は『ベイビー・ドライバー』よりも前に撮影されているんです。若干ふてぶてしく、あか抜けきれてない」と話す。「思春期系の俳優さんの良いところって、この“ふてぶてしさ”が出ていることなんですよ。例えば『JUNO ジュノ』のエレン・ペイジ。アンセルの“ふてぶてしさ”が出ているのは、この映画が最後だと思います」と解説していた。
一方、子役時代から活躍していたモレッツに関しては「エル・ファニング、ダコタ・ファニングのように、悪に染まらずに生きてこれた方。ハリウッドでは悪に染まりがちなので(笑)」と語った東氏。さらに冒頭のラブシーンを例に挙げて「クロエちゃんは横顔の鼻が良いんですよね。こんなに綺麗な鼻なのに、横顔を長尺で撮ってくれている映画って意外と少ないんです。(本作を)2回見ていただければ気づくと思いますが、横顔をとらえたシーンがすごく多いんですよ」と独自の視点でアピール。「2人の一番旬な瞬間が収められているんです。これからはもっと大人っぽくなるし、洗練されていくはず。あどけなさが残っている2人を切りとっているという意味では、キャストの撮り方がとても美しい映画」と感想を述べていた。
「クリミナル・タウン」は、8月25日から東京・新宿シネマカリテほか全国公開。