故ビル・カンニンガムさんが死の直前に書いた回想録が出版へ
2018年3月30日 13:30
[映画.com ニュース] 50年にわたってニューヨークの街角やファッションシーンの写真を撮り続け、傑作ドキュメンタリー「ビル・カニンガム&ニューヨーク」で広く知られるようになった写真家ビル・カニンガムさんが、2016年に87歳で死去する前にしたためていた回想録が、先ごろ家族によって発見された。米W誌によれば、オークションによりペンギンブックスが出版権を獲得している。
カンニンガムさんは、1929年米マサチューセッツ州ボストン生まれ。帽子デザイナー、ファッションジャーナリストとしてキャリアをスタートさせ、同時にストリートスナップ写真を撮り始めた。1978年からスナップ写真をニューヨーク・タイムズ紙に発表するようになり、そこから同紙の名物ファッションコラム「On the Street」と社交コラム「Evening Hours」が誕生した。
パリの清掃人と同じ青い作業着と首から下げたカメラ、そして自転車がトレードマークで、80歳を超えても華やかなコレクション会場に自転車で乗りつけた。屋根裏のような部屋に1人でひっそりと質素に暮らしていたが、膨大な数の写真や資料の山の中から今回、家族が「Fashion Climbing」と題されたカンニンガムさんの回想録を発見したという。
この本がいつ書かれたものかは定かではないが、カンニンガムさんがピンクのドレスを着て母親に殴打された幼少期のこと、朝鮮戦争への徴兵、ニューヨークへの移住、ファッションジャーナリストとして働き始めた頃のこと、長らく続いた家族との対立などが綴られているようだ。
カンニンガムさんの回想録は、ニューヨーク・ファッションウィークが開催される今年9月に発売の予定。