6歳の少年の冒険を描くベネチア映画祭出品作「泳ぎすぎた夜」4月14日公開決定!
2018年3月4日 17:30

[映画.com ニュース] 第74回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品された日仏合作映画「泳ぎすぎた夜」が、4月14日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほかで公開されることが決定。あわせて、「とても小さな、新しい冒険の始まり。」というキャッチコピーが添えられたメインビジュアルもお披露目された。
「若き詩人」のダミアン・マニベルと「息を殺して」の五十嵐耕平が、ロカルノ国際映画祭(2014年)で出会ったことをきっかけに製作した共同監督作品。主人公は、一面が雪に覆われた冬の青森で暮らす6歳の少年。漁業市場で働く父に、自分の描いた絵を届けようとするさまを描き出す。メインビジュアルに写る少年を演じたのは、実際に青森県平川市に住む小学生・古川鳳羅(こがわ・たから)くん。マニベル監督と五十嵐監督が、たまたま訪れていた音楽イベントで発見した逸材で、本作で演技初挑戦となった。また、劇中には鳳羅くんの父、母、姉も、少年を取り巻く家族の一員として出演している。
第74回ベネチア国際映画祭のほか、第65回サンセバスチャン国際映画祭にも正式出品。第18回東京フィルメックスでは、学生審査員賞とFilmarks賞の2冠に輝いている。作品をひと足先に鑑賞した「ライオンは今夜死ぬ」の諏訪敦彦監督は「少年の些細な一挙手一投足になぜか私の視線は釘付けになる。ひとりの少年が雪の中を歩き、走り、立ち止まり、見つめ、眠る。誰にも出会うことなく、ひとりさまよう少年、ただそれだけで一本の映画ができると誰が想像するだろう」と思いの丈を述べている。
また、美術家の奈良美智氏は「小さかった自分はそこにいて、その雪国の風景は、見上げれば空が広く、歩き出せば真っ白な雪原だ。あの頃の自分の感情が蘇ってくる」と称賛。詩人の谷川俊太郎氏は「人間ももともとはけものと同じ生きものだった。言葉がないと、意味の仮面がはがれて、いのちのナマの姿が見えてくる」とコメントを寄せている。
「泳ぎすぎた夜」は、4月14日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほかで公開。
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