富田靖子&松下由樹の“生みの親”が涙 デビュー作「アイコ十六歳」豊橋で上映
2018年3月3日 16:35

[映画.com ニュース] 富田靖子と松下由樹の女優デビュー作「アイコ十六歳」(1983)が3月3日、愛知県で開催中の「ええじゃないか とよはし映画祭2018」で上映された。松下は、製作を務めた大里洋吉氏(アミューズ代表取締役会長)、本映画祭プロデューサーの森谷雄氏とともに開発ビルでのトークショーに臨んだ。
堀田あけみ氏の小説「1980アイコ十六歳」を、富田主演、今関あきよし監督のメガホンで映画化。名古屋を舞台に弓道に明け暮れる女子高生の、ひと夏の青春を描いた。本作の企画段階から携わった大里氏は、この日の上映を客席で見ていたことを明かし「作って何回か見て以降、30何年見ていなかった。忘れているシーンもあり、『ああそうだったな』と思ったら涙が出てきちゃった」と照れくさそうに話し、あふれる涙をぬぐった。
本作のキャストは大規模なオーディションで募集した。大里氏は「オーディションは『君、夏休みに映画に出てみないか』というキャッチコピーだった。子どもたちは全員オーディションで選ぼうと決めていた。名古屋だけでも何万人も応募していただいて、その中に由樹もいた」と述懐。松下も「そうです。確か12万7000人くらいの応募があって。名古屋地区だけで6万人近くの子どもたちが集まりました。何回も勝ち抜かなくてはいけなくて、最終的に全国オーディションでそれぞれの役に選ばれていく」「ちょうど中学3年生だったのですが、名古屋の地下鉄を歩いていたら、チラシを受け取った。そして(オーディションを)受けたんです」と当時を振り返る。
そうして最終的に役を射止めたのが、富田や松下といった後の実力派女優たち。大里氏は、松下の起用理由を「この子はね、すぐに決まったんです。すば抜けてスタイルがよくて、笑顔もよくて」と明かす。一方、主演女優選びは難航したが、「オーディションの途中で一度東京に帰ったんです。その時、机の上に写真があった。『どこの子?』と聞いたら、福岡の子だというから『福岡かあ……』と思った。14歳、中2だったので、若いなと思ったが、でも勘で福岡に飛んだ」と1枚の写真に希望を見出し、富田に会いに行ったという。そしてオーディションでの富田の仕草や発言が、アイコのイメージと合致し「すぐに『いた! この子でいきたい!』」と即決した。
オーディションを勝ち抜き、女優としての“初期衝動”をスクリーンに焼き付けた松下。「キャストは未経験者ばかりだった。だから当時『よーい、スタート』でカチンコが鳴って、『カット!』というのを初めて体験したのですが、あの感覚、快感は今でも続いています。あの一瞬の集中力と一瞬に巻き起こる『虚像なんだけど“本当の世界”』を味わう感じは、あの時に教えてもらった気がします」と感慨深げに語る。「今ここにいるのはオーディションに参加して選んでいただいたから。このようにトークをするなんて夢にも思っていなかったので、嬉しく思っています」とほほ笑んだ。
「ええじゃないか とよはし映画祭2018」は、3月4日まで開催。
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