片山萌美、谷崎の“魔性の足”再現に苦労「映画の半分以上足を舐められてる」
2018年2月11日 12:30
[映画.com ニュース]文豪・谷崎潤一郎の短編小説を映画化した「富美子の足」が2月10日、東京・テアトル新宿で封切られ、主演の片山萌美、共演のでんでん、淵上泰史、福山翔大、ウエダアツシ監督が舞台挨拶に立った。
谷崎の短編を3人の映画監督が現代劇として映像化するシリーズ「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」の1作。男たちを狂わせる足を持つ富美子(片山)、足の魅力に取りつかれた2人の男の姿を通して、フェティシズムの極致を描き出す。富豪の老人・塚越(でんでん)は、愛人・富美子の足に異常な執着を見せ、フィギュア作家の甥・野田(淵上)に、富美子の足の等身大フィギュアを作るよう依頼。だが完成品に満足できず、塚越は野田に「富美子の足を理解するために舐めてみろ」と常軌を逸した命令をする。
「撮影時の苦労」を問われた片山は、「映画の半分以上、足を舐められているシーンなので、ずっと緊張していました。足をフィーチャーして撮っていただくので、ネイルサロンに初めて行って爪をきれいにしていただいたり。足のマッサージを自分で毎日したり。傷も多かったので、治すようにしました」と告白。そうした手入れの末に作り上げた“魔性の足”を鑑賞する観客に向けて、「楽しんでください」と照れ笑いを浮かべながらアピールした。
一方のでんでんは、劇中で衝撃的な怪演を見せているが、撮影初期は「こんな若い子を舐めていいのか」と戸惑っていたことを明かし、「1回目は遠慮しながら舐めていたんですよ」と振り返る。「でも次の日、淵上くんに『どうだった舐めた?』と聞いたら、『思いきって舐めましたよ』と。それを聞いて僕は、家に帰って鏡の前で舌を動かす練習をしました(笑)」と話し、体当たりで撮影に挑んだ結果「(指ごとに)微妙に味が違うことがわかりました」「芝居を忘れてめちゃくちゃ舐めまわしました」とぶっちゃけて、笑いを誘った。
でんでん同様、“足フェチ男”として振り切った演技を見せた淵上は、「でんでんさんが話した後だと、しゃべることが何もない」とタジタジの様子。だが福山は、でんでんと淵上の演技に圧倒されたそうで「僕はパッションに身を任せて、片山さんのひざを中心に舐めさせていただいた。でも完成披露で(映画を)見たら、『もうちょっと芝居をがんばろう』と落ち込むくらい、(でんでんと淵上が)怪物だった。指の味が知れるくらい、頑張ろうと思います」と明かした。
またウエダ監督は、トリビュート企画にかけた思いを「トリビュートとは、完コピするだけではつまらない。今のアーティストが自分なりの大胆なアレンジでよみがえらせるというのが企画として面白いと思った」と力説し、「この映画を谷崎が見た時に、めちゃくちゃ褒められるか、めちゃくちゃ怒られるかのどちらかならいいなと思って作りました」と述べた。
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