原恵一監督「エスパー魔美」は演出家としての信念貫いた原点「最後までブレなかった」
2017年10月30日 13:00
上映されたのは、初めてチーフディレクターを務めたテレビシリーズの第54話「たんぽぽのコーヒー」と第96話「俺たちのTONBI」、映画デビュー作で「映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記」の併映作だった1988年「エスパー魔美 星空のダンシングドール」の3作。約2年半続いたテレビシリーズからの選出は、原監督自らが行った。
当時は20代後半でテレビの「ドラえもん」の演出を担当しており、チーフへの抜てきは異例だったが「絵コンテを描いたのが師匠と思っている芝山努さんで、演出の1人として参加したいと手を挙げたら、プロデューサーに昼飯に呼ばれてチーフと言われた。挑戦的なタイトルだったので、若い人にやらせてみようということだったと思う」と推察。しかし、「オンエアの初期は原作のエピソードを使っていたが、なくなっていくとオリジナルでストーリーを作り始めなければいけない。そうなると藤子・F・不二雄先生の素晴らしさを思い知らされた」という。
しかも、「藤子先生にとっても挑戦だったと思う」と、主人公の魔美が画家である父親のヌードモデルをしているなど斬新な設定を踏襲。「中2の女の子の日常を描きたかった。超能力少女ものにはしたくなかった」という信念が、スタッフとの衝突を生むことも多く「何をやってもダメ出しされる。頭にきたヤツをぶん殴って、国外逃亡しようかと思ったこともあった」と苦い体験も披歴した。
映画でもその思いを貫き、「のめり込みすぎて子どもの観客を一切考えず、マジメなドラマとして作ってしまった。映画館に見に行って、子どもが退屈して大騒ぎしていたので、子どもは我慢しないんだということを知った」と苦笑い。それでもテレビ、映画を通じて「最後までブレずにできたと思う」とその後の糧になったことを強調。そして、「藤子先生の中でも代表作のひとつ。オンエアできなかった原作もあるので、読んだことのない人は読んでいただき、こんな挑戦的な素晴らしい作品があったことを知ってもらいたい」と話していた。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【私が“死ぬとき”を、見届けて】あなたならどうする――? 魂に効く珠玉の衝撃作
提供:ワーナー・ブラザース映画
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー