常盤貴子、大林宣彦映画祭に参戦!大林組での経験が「やすらぎの郷」で役立った
2017年9月18日 10:10
[映画.com ニュース] 特集上映「ワンダーランドの映画作家 大林宣彦映画祭2017」が9月17日、東京・池袋の名画座「新文芸坐」で最終日を迎え、「野のなななのか」(2013)と最新作「花筐 HANAGAMATAMI」でヒロインを務めた女優の常盤貴子がトークショーを行った。
この特集上映は、映画監督で映画評論家の樋口尚文氏が末期がんで闘病中の大林監督にエールを贈ろうと企画し、9月3日から33本を上映。常盤は、プライベートでも2度来場し、上映機会がほどんどなかったテレビ作品「麗猫伝説」、沢田研二主演の「恋人よ われに帰れ LOVER COMEBACK TO ME」(ともに1983)など4本を鑑賞した。
この日は「野のなななのか」を満席の劇場で観客とともに再見。「普段は見ることができない作品も拝見でき、なんて、ぜいたくな企画なんだろう、ありがたいなと思いました。ここに来てくださった方は、みなさん大林監督の映画が好きな人たち。そんな人と一緒に見ることができる。喜びがぜんぜん違いますね」と笑みを見せた。
「野のなななのか」は北海道・芦別を舞台に、ある老人の死をきっかけに、“過去”の戦争の記憶と原発事故後の“現在”をイマジネーション豊かに描いたもの。常盤にとっては念願の大林作品初出演となった。劇中、品川徹演じる老人の恋人で、16歳の少女時代まで演じたことに触れ、「監督からは『16歳の記憶がある人はできるでしょ』と言われました。後は監督が撮ってくさだると思い、怖いものはなくなりました」と話した。
目下、テレビ朝日系の昼の帯ドラマ「やすらぎの郷」でミッキーカーチスの相手役を演じているが、「最初はエーと思いましたが、(同じような役は)もうやっていたんだ、と思いました。(脚本の)倉本聰さんからは、35歳の役と言われ、(自分にとっては)もう10年前だから、無理!と思ったのですが、倉本さんがおっしゃるには、『35も45も一緒』と。そう言えば、大林監督もおっしゃっていたなと思い、お二人がそう言っているんだから、(演じる)価値があるな、と思いました」と話した。
最後には、観客席にいた大林監督もサプライズで挨拶。「(特集上映は)素晴らしいディレクションでした。観客席で見せていただいて、昔からブレていないことが分かって、安心しました。(『野のなななのか』は)こんなにいい映画だったんだな、と自分でも感動しました。実は、現場でもほとんど台本ができていなかった」と明かした。
常盤と、老人の若い時代の恋人(安達祐実)が共演するシーンについては「当初、予定になかったんですが、安達祐実ちゃんのシーンを見に来ていた貴子ちゃんを見て、この二人が一緒のシーンがないのはもったいないと急きょ、撮影しました。そこで、貴子ちゃんの役は、祐実ちゃんの生まれ変わりなんだと気がついて、シナリオを書き直したんです。編集中にもシナリオを書き変えました。そういうシナリオをもらって、(常盤は)よく出るもんだな、と思いましたね。それでも、一本筋が通った演技ができる」と、常盤の女優魂を讃えた。
劇場には、「花筐」の出演者、満島真之介、長塚圭史、矢作穂香のほか、「野のなななのか」の関係者も遠く芦別から駆けつけ、急きょ、壇上で大林作品への思いを語った。「花筐 HANAGAMATAMI」は檀一雄の同名小説を原作に、1941年、佐賀県唐津を舞台に、我が「生」を自分の意思で生きようとする8人の若者の姿を描く群像劇。12月16日、東京・有楽町スバル座ほか全国順次ロードショーされる。
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