ベネチア国際映画祭、G・デル・トロ監督作&ジョージ・クルーニー監督作が注目集める
2017年9月4日 12:00

[映画.com ニュース]第74回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出されている、ギレルモ・デル・トロの「The Shape of Water」が公式上映され、高い評価を得た。また、同部門のジョージ・クルーニー監督作「Suburbicon(原題)」も注目を集めている。
「The Shape of Water」は、1960年代の冷戦を背景に、アメリカの軍事科学基地に掃除夫として通う孤独なヒロインが、ひょんなことからクリーチャーの開発を目撃し、やがて密かにクリーチャーと心通わすようになるものの、命を狙われるという物語。デル・トロらしいクリーチャー愛がさく裂した作品で、「パンズ・ラビリンス」が子どもを主人公にした寓話だったのに対し、今作は大人の女性を主人公にしたクリーチャーとのラブストーリー。まさにデル・トロ版「美女と野獣」と言える。クリーチャーの細やかな造形に加えレトロ感漂う映像も美しく、公開時にも大きな話題となりそうだ。
クルーニーの監督作「Suburbicon(原題)」は、80年代にコーエン兄弟が書いた脚本を、クルーニーと共同脚本家のグラント・ヘスロウが新たに脚色。50年代の一見理想的な郊外の街で、人種差別とある家族の内輪もめが発展し、収拾がつかなくなる様子をブラックユーモアたっぷりに描く。
クルーニーは会見で、現代のアメリカの空気を反映していることを強調。「いまのアメリカではどっちの側にせよ、誰もが怒っている。黒い雲が国中に広がっている。それを映画に反映させるのはもっともだと思った。でも僕は本来楽観的なたちだし、ポジティブな性格。だからエンディングは少し気分が良くなるようにしたかった」。さらに「次期大統領になりたいか」と尋ねられると、「ああ、それは楽しそうだね(笑)。とにかく、誰でもいいから早く次の大統領に変わって欲しいよ」とジョークと本音を交えて答えた。
クルーニーとともに、主演のマット・デイモンとジュリアン・ムーアも会見に出席したほか、レッドカーペットではそれぞれが伴侶を伴って登場。今年双子の父親となったクルーニーと妻のアマルさんは、特に大きな歓声で迎えられた。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント