大泉洋が小説に“主演”!完全あてがきの異色作「騙し絵の牙」8月31日発売
2017年8月22日 04:00

[映画.com ニュース] 作家・塩田武士氏が、俳優の大泉洋をモデルに主人公を「あてがき」した小説「騙し絵の牙」が8月31日に出版される。
大手出版社で雑誌編集長を務める主人公・速水輝也は、上司から休刊をにおわされたことをきっかけに組織に翻ろうされ、次第に速水の異常なほどの執念が浮上してくるという内容。昭和の未解決事件「グリコ・森永事件」を題材にした小説「罪の声」で山田風太郎賞などを受賞した新聞記者出身の塩田氏は、4年にわたり大泉を取材し、その話術や笑いを緻密に分析、主人公の速水輝也と大泉の“完全同期化”を目指したという。
大泉は、著書「大泉エッセイ 僕が綴った16年」の編集者に、雑誌「ダ・ヴィンチ」で紹介するおすすめの本を毎回相談していたことが本作のきっかけだと明かす。「映像化されて、私が主演できるような小説をと。それを、毎回訊かれるのが、彼女はめんどくさくなったんでしょうね。『じゃあ、もう大泉さんを主人公としてイメージした本をつくります!』と言ったのが始まりなんです」と説明する。
一方の塩田氏は、「芸能事務所の方と編集者と打ち合わせを続け、『完全アテガキの社会派小説』という未知の世界を前に何度もプロットを修正。新時代のメディア・ミックスに備えました」と述懐。「非常に鋭く厳しい読者目線のアドバイスをいただいたことにより、物語はさらに進化しました」と大泉の協力を語るとともに、「『物語の内容が現実とリンクしていく可能性がある』――そう気づいたとき、読者の皆さまはどんな未来予想図を描かれるでしょうか?」と新機軸を打ち出しが本作の魅力をアピールする。

出版社と作家、芸能事務所、俳優が一体となり、発案当初から映像化を見据え企画された異色の文芸作品だが、大泉は「今、何より恐れているのが、この小説が映画化されたとき、速水役が私ではない、ということです」と胸中を吐露。「本書の帯のキャッチに『最後は“大泉洋”に騙される!』ってあるんだけれど、『最後は“大泉洋”が騙される!』って。実はそれが“騙し絵の牙”だったんだと。それだけは避けたいですね」と明かした。
人気アーティストのCDジャケットなどを手がけるアートディレクターの吉田ユニ氏が手がけた、表紙装丁も公開された。スーツ姿で書類を抱えた主人公(大泉)の影が、女性の横顔に見える、“だまし絵”のようなデザインに仕上がっている。
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