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演出も話し合いもなし!「ELLE」バーホーベン監督、イザベル・ユペールに全権を委任

2017年6月23日 19:15

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互いへの敬意を語った
互いへの敬意を語った

[映画.com ニュース]ポール・バーホーベン監督とイザベル・ユペールが組んだ「エル ELLE」が6月23日、開催中のフランス映画祭2017で特別上映された。上映後には、来日中のバーホーベン監督とユペールが登壇し、観客の質問に答えた。

ユペールが自身初のオスカーノミネートを果たしたエロティックサスペンス。ゲーム会社の社長を務めるミシェル(ユペール)は、暴行事件、さらにストーカーまがいの謎めいた事件に巻き込まれる。その真相と共に、事件以上に怖ろしいミシェルの本性が次第に暴かれていく。

バーホーベン監督が「来日はおそらく5度目になりますが、今回は隣にいるこの人のおかげで特別です」と言えば、ユペールは「コンニチハ」と日本語で挨拶し「日本に来ることができて、そして監督と一緒にこの場にいられることが何より光栄です」と互いへの尊敬と信頼をうかがわせる。

映画を見終えたばかりの観客から、ミシェルの“本質”について問われたユペールは「彼女はこの事件の経験を通して、ある意味で自分を再構築しているのだと思います。彼女の性質に対する『なぜ?』という問いには、彼女の過去のこと、父の存在が説明になるかもしれませんが、映画で明記はされず、あくまで1つの情報として提示されるもので、観客に委ねられます。事件を通じ、暴力と直面したことで、彼女は自分が誰であるかを関連づけ、映画で描かれる男性的な暴力というものがどこから来るのかを知りたいと感じるようになったのかもしれません」と自分なりの考察を述べた。

バーホーベン監督は、現場でユペールとは「一切、ディスカッションしていません」と告白。「どのように撮るかという物理的なこと、暴力的なシーンで危険な事故が起きることがないよう、話はしましたが、キャラクターや動機に関しては、一切、話し合っていません。するべきでないことだと考えていたからです。それはフロイト的分析にしか至らないし、映画作りの助けにはならないでしょう。私は彼女を信頼し、やるべきことをわかっていたので、演出もつけていません。直感的な意味で彼女が誰であるかを含め、僕らは同じものを見ていたと思います」と絶大な信頼の下、ユペールに全権を委任したと明かした。

撮影で苦労したシーンを尋ねられたユペールは「大変なシーンなんて何もなかったわ。むしろ、この映画を見るほうが大変だと思うわ」とニッコリ。「1つ挙げるなら、小さなスズメが死ぬシーンかしら? この映画のテーマは“命”。ミシェルはこんな小さな鳥でも救おうとします。それはこの映画のテーマに関わる部分だと思います」と語った。

「フランス映画祭2017」は6月25日まで、東京・有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇で開催中。「エル ELLE」は、8月25日から全国公開。

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