「光」河瀬監督&永瀬正敏&神野三鈴、世界遺産・春日大社にカンヌ受賞御礼
2017年6月4日 20:30
同映画は、河瀬監督の地元、奈良を舞台に、視力を失いつつある弱視の元カメラマン、中森雅哉(永瀬)とバリアフリー映画の音声ガイドを務めるヒロイン美佐子(水崎綾女)の姿を描く。第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、キリスト教関係者が選ぶ「エキュメニカル賞」を受賞。かねて映画の成功を祈った春日大社にお礼参りをしたいと考えていた永瀬が河瀬監督らに報告したところ、3人で参拝することとなった。
じっくり時間をかけて参拝し、カンヌにも持参したという御札を納めた永瀬。「カンヌと初日のご報告をさせていただきました。『光』が少しでも多くの人に届きますように、とお願いもしましたので、また来なければいけないですね。もう一つありますが、後は秘密です」と笑い。新たに御札も求めて、河瀬監督ら関係者にも渡す気遣いを見せた。
春日大社には事あるごとに足を運んでいるという河瀬監督は、「『光』は、ちゃんと映画に向き合ってくれる人に届いている気がします。世界をめぐり、地元に戻って来られた、うれしいです。永瀬君も同じだと思います。私たちは今後も映画を作り続けますので、これで終わりではない。春日大社は大切なものが何かであるかを教えてくれる場所です。これからも神様は見てくれていると思います」と神妙な面持ちで語った。
2人は境内で執り行われた結婚式の関係者から声をかけられ記念撮影に応じ、新郎新婦、親族を喜ばせた。
永瀬、河瀬監督とは別にお参りし、後に合流した神野も「これから始まる気がしています。『光』をご覧になったおひとりおひとりが受け取ったものが大きな光になり、すくすくと育っていきますようにと、お祈りしました。光はけっして失われないものです。いつも、それに気付いて歩いていけますように、と願いました」と話した。
「光」は2016年10月16日に奈良市内での撮影をスタート。同14日にはスタッフ、キャスト30人が参加しての奉納を行った。ちょうど第60次式年造替という節目で、伝統的な儀式を行い、普段、展示のない宝物を見ることもできたという。永瀬は「あと数日違ったら、こういう貴重な経験もできなかった。撮影では、うれしい偶然がいくつもありました。撮影は満月に始まり、満月で終わりました。河瀬監督には、そういうことを引き寄せる力があるんです」と話していた。
夜には、永瀬と神野は天理駅前で行われた河瀬監督がエグゼクティブ・ディレクターを務める「なら国際映画祭」関連のイベントにも飛び入り参加。奈良への感謝の思いを見せた。