池上彰「パトリオット・デイ」のFBIの動きに注目「なぜテロと断定したのか見てほしい」
2017年5月31日 17:00

[映画.com ニュース] 2013年に発生した米ボストンマラソン爆弾テロ事件の犯人逮捕までの102時間を描く「パトリオット・デイ」のPRイベントが5月30日、都内で行われ、ジャーナリストの池上彰氏と、タレントの関根麻里が出席。池上氏による“生解説”に、関根は興味津々だった。
「ローン・サバイバー」「バーニング・オーシャン」のピーター・バーグ監督とマーク・ウォールバーグがタッグを組み、記憶に新しい事件の裏側を映画化。13年4月15日、毎年“パトリオット・デイ”(愛国者の日)に開催され、50万人の観衆を集めるビッグイベントであるボストンマラソンで、突如大爆発が発生。朝から警備に駆り出されていた殺人課の刑事トミー(ウォールバーグ)たちは、容疑者に浮上した“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”の捜索に奔走する。
「実にリアルで、興味深かった」と本作に太鼓判を押す池上氏は、「何か事件があれば、まずは市警や州警察が捜査を始めて、途中でFBIが偉そうに(笑)出てくる。これがハリウッド映画のお約束で、この映画もそうでしたね」と管轄が細かく分かれるアメリカの捜査システムについて説明。「なぜ、映画の中でFBI捜査官が『これはテロ』だと断定したのか。ぜひ、その点に注目してください。それとMIT(マサチューセッツ工科大学)の大学警察が重要な役割を果たすので、見逃さないで」とジャーナリストの視点で、見どころを語っていた。
また先週、英マンチェスターのコンサート会場で起こったテロ事件に触れ「(開演前の)入口や会場内のセキュリティはできても、(終演後の)出口は普通、警備しない。今回はテロ対策の盲点を突かれたので、関係者も深刻に受け止めているはず。2020年には東京オリンピックもありますし」とテロ対策の難しさを指摘していた。
関根は06年までボストン・エマーソン大学に留学しており、テロが発生した当日を「ちょうど、出演していた朝の情報番組の放送中に、どんどん最新の情報が入ってくる状況でした。自分が普段歩いていた場所で起きたので、もう本当にショックで……」と回想。ボストンは「平和で、大学も多い町」だといい、「特にボストンマラソンの開催日は、参加者をはじめ、1年で最も人が多い日で、私もお祭り気分の休日を楽しんでいた」と思い出を語った。
それだけに、テロの翌年もマラソン大会を継続している市民の姿勢に「テロがあったからこそ中止にはせず、絶対に屈しないと証明しようとしている。そんな人々の力強さにパワーとメッセージを感じますし、映画からもそれは伝わってきます」と胸を打たれていた。
「パトリオット・デイ」は、6月9日から全国で公開。
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