【キング・アーサー聖地巡礼その2】ジュード・ロウ演じる暴君の城の名残が存在した!
2017年5月26日 18:00

[映画.com ニュース] 「シャーロック・ホームズ」シリーズでイギリスの名探偵の大活躍を描いたガイ・リッチー監督が、最新作「キング・アーサー」ではイギリスの英雄アーサー王の大冒険をスタイリッシュに活写。そこで、何世紀も語り継がれてきたアーサー王伝説のゆかりの地であり、本作のロケが行われた北ウェールズへ映画.comが行ってきました。そこで、突撃取材の旅の模様を全5回にわたってレポート。第2回は、ジュード・ロウが演じた暴君ヴォーティガンのお城の名残を見てきた!の巻です。
映画は、王の息子でありながら、両親を殺されスラム街で育ったアーサー(チャーリー・ハナム)が、聖剣エクスカリバーを手に入れたことから、王座へと上り詰めていく下剋上エンタテインメント。「シャーロック・ホームズ」で名探偵の相棒ワトソンを演じたロウが、本作では卑劣な悪役で魅了してくれます。兄であり、先王のユーサー亡き後、恐怖で国を支配するヴォーティガンは、真の王位継承者である甥(おい)のアーサーを目障りに思い、魔術の力を駆使してまでも葬り去ろうとする極悪非道な国王なのです。

北ウェールズでのロケ地巡りの道中、「ヴォーティガンの城に使われた石が残っているので見に行こう!」ということに。「ディナス・エミリス」と呼ばれる丘のふもとに姿を現したのは、ナショナル・トラストののぼりがなければ見落としてしまいそうな、こぢんまりとした小屋でした。絵や解説文が展示された室内の真ん中に、石のブロックがドーンと3つ。いかにも古めかしいこの石が、ヴォーティガン王の城の一部だと考えられています。一見、何の変哲もない石なんですけどねえ。

この石が大切にされているのは、ヴォーティガンの城なくして、ウェールズのシンボルである赤いドラゴンの伝説は語れないから。そして、この伝説ではアーサー王伝説のキーパーソンのひとり、魔法使いマーリンの生い立ちも明らかにされています。“通”なら押さえておきたいエピソードですね。決して有名とはいえないヴォーティガンですが、アーサー王伝説はもとより、ウェールズのシンボルにも深く関わっている“スゴい”王様だったみたい。それなら、もっと崇められてもよさそうだけど……。

ぶっちゃけた話、実際のヴォーティガン王は名将と呼ばれるような優秀なリーダーではなかったみたい。だけど、ジュード・ロウ版は鬼強い! 愛する者を犠牲にしてでも権力を渇望するほど執念深く、禁断の魔術の力でアーサーの前に立ちはだかります。クライマックスの直接対決では、聖剣エクスカリバーを振るうアーサー相手に獅子奮迅。ヒーローがヒーローになるためには強敵が不可欠ですが、無慈悲で、狡猾(こうかつ)で、屈強(しかもイケメン)なヴォーティガンは、完全無欠の悪役でしょう。
ロケ地と伝説ゆかりの地を巡る旅のレポート、次回はアーサー王の“キャメロット城”に行ってきた!の巻をお届けします。
「キング・アーサー」は、6月17日から全国公開。
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