水谷豊「今の年齢だからこそ」40年来の夢実現させた初監督作「TAP」完成に感慨新た
2017年5月14日 19:55

[映画.com ニュース] 俳優の水谷豊が映画監督に初挑戦し主演も兼ねた「TAP THE LAST SHOW」のプレミアムイベントが5月14日、東京・表参道ヒルズで行われた。水谷は共演の北乃きい、岸部一徳、前田美波里、六平直政らに迎えられ館内の大階段に敷かれたレッドカーペットに登場。ファンの声援に笑顔で応え、「やるだけのことはやりました。映画は、ここから先は皆さんのものです」と自信のほどをアピールした。
20代の頃、米・ブロードウェーなどで見たタップダンスのショーに衝撃を受けた。その世界を日本で映画にしたいと思い続け、約40年を経て実現させたが、「僕は20代前半に『表参道軟派ストリート』(1978年発売)という男の子がナンパばかりする歌を歌っておりまして、まさか監督として表参道に戻ってくるとは思ってもみませんでした」とおどけ、笑わせた。
40代までに3度トライしたがかなわず、「50代はあきらめて何もしなかったけれど、60代になって今のプロデューサーと話したら異様な興味を示した。夢を手に入れるために、思い続けることの大切さを教えてもらった」と“4度目の正直”にしみじみ。約500人のオーディションで抜てきした9人のタップダンサーによるパフォーマンスも披露され、「今の年齢だからこそ、ここにいるダンサー、キャストに出会えた」と感謝した。
自身はケガで引退し、夢を後進に託す伝説のダンサーを演じたが、「バックボーンを思っただけで、役者としての自分を考えなかったのは初めて。監督は僕に何も言わないからね。珍しい作品ですよ」とニヤリ。そして、「40代までは自分で踊るつもりでいたけれど、もし踊っていたらこんなに素晴らしいショーにはならなかった」とあらためて感慨に浸っていた。
「TAP THE LAST SHOW」は、足に大けがを負って引退し振付師としてショービジネスの世界に身を置きながらも酒に溺れる自堕落な生活を送っていた元天才ダンサーが、旧知の劇場オーナーから閉館を飾る“最後のショー”の演出を依頼され、1人の若者の踏むタップによってかつての情熱を取り戻していく人間ドラマ。6月17日から全国で公開される。
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