オスカー監督が自閉症児らと交流「“脳の多様性”について考えるきっかけになれば」
2017年3月7日 15:00

[映画.com ニュース] アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート作「ぼくと魔法の言葉たち」のロジャー・ロス・ウィリアムズ監督が来日し、東京・綾瀬にある学習支援教室「東京未来大学こどもみらい園」を訪問した。
映画は、2歳のときに突然言葉を失った自閉症の少年オーウェン・サスカインドが、ディズニーアニメーションを通し、言葉を身につけ、外の世界に適応していく術を学んでいく姿を収めたドキュメンタリー。オーウェンが両親の献身的なサポートで困難を乗り越えながら成長し、社会人として自立した生活を送ろうと奮闘するさまに密着した。
ウィリアムズ監督は、2013年の短編ドキュメンタリー「Music by Prudence(原題)」でアフリカ系アメリカ人監督として初めてオスカーを獲得した人物。この日は、自閉症や発達障害を抱える子どもたちがそれぞれ得意とする紙粘土工作や体操、英会話などを通して交流を図った。5人の子どもたちとケーキのデコレーションに挑戦したときには、優しく励ましたりほめたりする一方で、子どもたちから日本語を教えてもらったりと、短い時間で打ち解けた様子で、完成時には全員と笑顔でハイタッチを交わしていた。
保護者との意見交換会では、米国の名門大学でオーウェンの事例をもとに「アフェニティ・セラピー」という学術的研究が進められていることを紹介した。さらに、かつてはディズニーアニメーションを模倣していたオーウェンが、現在は自分自身で創作活動を行い、絵画の展覧会を3度開催したと近況を報告。アートギャラリーで働いたり、子どもたちに絵を教えたりして社会の一員として暮らしていることを例に挙げ、不安を抱える保護者たちを励ました。
そして「“ニューロダイバーシティ(脳の多様性)”の人々は、素晴らしい才能の持ち主であり、それぞれの優れた部分を見つけ、育てていくことが大切なんです」と断言。自閉症をはじめとした脳の障害と見なされていたものは、脳の個性であるという考え方を真摯に説明した。“ニューロダイバーシティ”に当てはまる人は世界の4分の1に相当すると指摘し、「彼らは軽視され、社会から忘れられがちだが、それは世界にとって大きな損失。映画が、そういったことを考えるきっかけになればうれしい」と締めくくった。
「ぼくと魔法の言葉たち」は4月8日公開。
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