山下敦弘監督&きだしゅんすけ「ぼくのおじさん」での“共闘”振り返る
2017年3月5日 12:50
[映画.com ニュース] 松田ひ龍平主演作「ぼくのおじさん」が3月5日、愛知県で開催中の「ええじゃないか とよはし映画祭」で上映された。メガホンをとった山下敦弘監督と音楽のきだしゅんすけ氏が、豊橋・開発ビルでの舞台挨拶に臨み、プロデューサーとの“戦い”をひょうひょうとした口調で振り返り、場内の笑いをさらった。
昨年11月3日に全国185スクリーンで封切られた今作は、北杜夫が自身をモデルに書いたロングセラー児童小説が原作。大学で哲学を教える臨時講師・通称“おじさん”(松田)のユーモラスな日常と恋を、おいっ子の小学生・春山雪男の目線で描いている。見合いで出会ったハワイの日系4世・稲葉エリー(真木よう子)に一目ぼれしたおじさんが、コーヒー農園を継ぐため帰国するエリーに会うため、雪男を連れてハワイへ出向き騒動を繰り広げる。
この日は、きだ氏が劇中音楽「恋するおじさん ひとめ惚れ編」と「おじさんサンデー」を生演奏で披露した。山下監督は、「ひとめ惚れなんて、どうしたらいいか分からないから音楽の力に頼りました」と笑う。きだ氏も「この曲は映像を見てから作ったんです。あのシーンのインパクトがあまりにも強いから悩んで、旅をして作りました」と明かした。
山下監督ときだ氏は、「マイ・バック・ページ」などで仕事をともにしており、今作で7度目のタッグ。山下監督は、「僕ときださんが一緒にやる時って、もうひとりプロデューサーがいまして。この人と戦いながら、2人で作っている感じなんです」と話せば、きだ氏も「プロデューサーは、この曲があんまり好きじゃなかったようなんですねえ」と述懐。それでも、「お蔵入りだけは阻止しようと頑張りましたね」(山下監督)、「そんなやり取りがあったおかげで、映画全体の広がりにはなった」(きだ氏)と穏やかな面持ちを浮かべていた。