「逃げ恥」脚本家が語る、少女漫画原作映画の“旨味”
2017年3月4日 17:15

[映画.com ニュース] 人気少女漫画を鈴木亮平の主演で実写映画化した「俺物語!!」が3月4日、開催中の「ええじゃないか とよはし映画祭」で上映された。メガホンをとった河合勇人監督、脚本を手がけた野木亜紀子、本映画祭プロデューサーの森谷雄氏(「サムライフ」監督)が、愛知・開発ビルでトークイベントを行った。
作画・アルコ氏、原作・河原和音氏による、少女漫画を実写化した本作は、身長約2メートル、体重120キロの高校生・猛男(鈴木)と、女子高生・大和凛子(永野芽郁)との恋模様を、イケメンの親友・砂川誠(坂口健太郎)との関係を交えながら描く。
野木といえばドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の脚本を担当したことでも知られており、この日は河合監督らとともに「少女漫画を映像化する際の難しさやこだわり」といった話題で盛り上がった。森谷氏が「少女漫画の映像化って間違いなく苦労しそう。原作から世界観を借りるみたいな部分はあるのか?」と2人に問いかけると、河合監督は「そこは絶対大事ですよね。キャラクターやビジュアルは原作をあまりいじらない方がいい」と答えた。
一方の野木は、「私はビジュアルはいいんじゃないかって気がしている。なぜなら無理だから。少女漫画って美男美女だし、どうしたって同じにはならないから、よっぽど違わなければいいのでは(笑)。その分、キャラ付けとか。今回の(永野)芽郁ちゃんも、原作とビジュアルイメージは違うけど、見ているうちに大和に見えてくる。役者さんの持っている可愛らしさもあるし、無理して合わせないでいいのでは。ものによりますけどね」と解説。さらに、本作と「逃げ恥」のストーリーには「男女が互いの気持ちになかなか気付かない」という共通点があるという話になると、「みんな気付かないのが好きなんですよ」と笑っていた。
漫画の実写化に「ビジュアル問題」はつきものだが、本作では主演の鈴木が体重を30キロ増量し、巨漢の猛男を再現するために徹底した役づくりに励んだ。河合監督と野木は本作の最大の功労者は鈴木だと声をそろえる。河合監督は「原作を読んだ時に、猛男のビジュアルをどうしようという問題が1番だった。生身の人間にいるわけないし、CGでやるわけにもいかない」と述懐。鈴木はドラマ「天皇の料理番」の役づくりで20キロ減量した直後であったため「最初に会った時はものすごく痩せていた。死にそうな感じ。本人は(肉体改造を)『やります』と言ったんだけど、信じられなかった」と当時の心境を明かした。
「ええじゃないか とよはし映画祭」は、3月5日まで穂の国とよはし芸術劇場PLATをメイン会場に行われる。
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