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山田洋次監督「ローマの休日」にトランプ政権を重ね「今見るべき」

2017年2月12日 15:00

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山田洋次監督と本広克行監督
山田洋次監督と本広克行監督

[映画.com ニュース] 山田洋次監督が2月11日、香川県で開催中の「さぬき映画祭2017」で行われた「ローマの休日」解説トークショーに参加した。約65年前に撮られた不滅の名作を前に、85歳の巨匠が童心に返り「何度見ても新しい発見があるね。2017年の今のアメリカ(トランプ政権)を重ねて見ることもできる」と感慨深げに語った。

公開当時すでに助監督だった山田監督。「先輩たちが『ローマの休日』がすごいぞと言うから見たけれど、正直どこが良いのかわからなくて、渋谷実さんに聞きに行って……」と懐かしげに振り返った。特にラストシーンの印象的なカット割りを研究し「映画演出とはこういうことなんだな」と知ったという。

また山田監督は、「ローマの休日」が当時のハリウッドを覆ったマッカーシズム(赤狩り)を色濃く反映していることについて「不幸な時代にローマで自由を謳歌しながら作ったんですね」としみじみ。2017年にトランプ政権下で起こりうる未来を案じ「今見るべき」と呼びかけた。

今年のさぬき映画祭は、貴重な顔ぶれが名画を語る解説付き上映会を初開催。「ローマの休日」は山田監督のほか、安藤紘平・早稲田大学名誉教授、本広克行・さぬき映画祭ディレクターがそろった。

安藤名誉教授が豊富な知識を提供し、オードリー・ヘプバーングレゴリー・ペックの演技からウィリアム・ワイラー監督の演出まで幅広く解説。マッカーシズムでハリウッドを追われた真の原作者ダルトン・トランボについて紹介する際には「トランプじゃなくてトランボですからご注意を」と呼びかけた。

さぬき映画祭2017は2月12日まで開催。

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