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ベルリン最高賞受賞のドキュメンタリー監督が来日「真実の瞬間をとらえたい」

2017年1月19日 20:28

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ジャンフランコ・ロージ監督
ジャンフランコ・ロージ監督

[映画.com ニュース]2016年第66回ベルリン国際映画祭の金熊賞受賞作「海は燃えている イタリア最南端の小さな島」のジャンフランコ・ロージ監督が来日し、1月19日都内で会見した。

ヨーロッパへ密航する難民や移民たちの玄関口であるイタリア最南端の小島、ランペドゥーサ島を舞台に、漁師たちが静かに暮らす島で巻き起こる事件を、12歳の少年の視点で静かに映し出したドキュメンタリー。

ランペドゥーサ島にはこれまでおよそ5万人の難民が到着し、2万7000人が命を失ったという。ロージ監督は同島に1年半滞在してリサーチ、撮影を行った。「悲劇の場所として知られていますが、普通の暮らしをする5500人の島民がいる島でもあるので、まず島のアイデンティティを撮りたかった」と説明した。

「ここ数年でヨーロッパで急に移民難民への関心が寄せられました。しかしランペドゥーサ島は20年難民が来ていましたが、無視されていたのです。ですから、この作品はベルリンでは政治的な映画として見られました」といい、「私は政治的な映画を撮っているつもりはなく、自分の作品の外に政治的なものがあり、呼吸をしていると思う。私の作品はドキュメンタリーです。実在する人物で、脚本は用意していません。私は映画的言語を使って、リアリティを撮っていく。シネマがリアリティをより浮き彫りにするのです。脚本家も作ることのできない真実の瞬間をとらえたいと思っています」と自身の映画に対する思いを語った。

第66回ベルリン映画祭では、女優のメリル・ストリープが審査委員長を務めたが、ストリープから「触れている問題のために与える賞ではなく、映画的、物語の資質に対して捧げる」との言葉をもらったそうで、「彼女がサポートしてくれると言ってくれたのが、素晴らしい贈り物」と笑顔で話した。

海は燃えている イタリア最南端の小さな島」は2月11日から、Bunkamuraル・シネマほかで公開。

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