「告白実行委員会」プロデューサーが語る、日本アニメの“アジア展開の現在”
2016年12月16日 23:30

[映画.com ニュース] ニコニコ動画やYouTubeなどで作品を発表し、関連動画の再生数が合計2億回を超えるクリエイターユニット「HoneyWorks」(通称:ハニワ)。その作品群をアニメ映画化した「ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~」は、今年4月23日に封切られ、興行収入3億円を超えるヒットを記録した。そして続編「好きになるその瞬間を。~告白実行委員会~」が、早くも12月17日に公開される。仕掛け人・斎藤俊輔プロデューサーに、広がり続ける本シリーズの魅力と、日本アニメの“アジア展開”の現状を聞いた。
ニコニコ動画の人気歌い手・Gom、ベーシストのshito、イラストレーターのヤマコが2010年に結成した同ユニット。活動開始から約6年、メジャーデビュー、楽曲のコミカライズ、ノベライズなどのクロスメディアを経て、いまや押しも押されもせぬ人気ユニットへと成長した。
映画は、高校生の青春恋愛がモチーフの楽曲プロジェクト「告白実行委員会 ~恋愛シリーズ~」を基にアニメ化。歌詞などにちりばめられた断片的な要素を拾い上げ、1本の映画として構成している。第1作は高校3年生の榎本夏樹(戸松遥)と幼なじみ・瀬戸口優(神谷浩史)ら、第2作は優の妹・雛(麻倉もも)と綾瀬恋雪(代永翼)らの甘酸っぱい恋愛模様を描いた。
斎藤氏は、アニメで重視した点を「新しい要素ではなく、ハニワファンが見たいシーンを中心にしています」と明かす。根底には「原作ファンに受けてこそ、アニメファンにも受け入れられる」という信念があり、だからこそ物語の一部にハニワメンバーの意見を反映した。「映画第1弾では、HoneyWorksによるライブシーンがそうです。映画の世界にもハニワがいて、夏樹がCDをよく聞いているという設定。ライブに行く場面を追加しました」。
ネットで発表された作品をアニメ化することに、従来の「レコード会社・出版社から発売された楽曲・書籍のアニメ化」とは違った面白さと可能性を感じるそうだ。「今の時代の新たなコンテンツが生まれたと感じていて、10年前にはこの形の映画製作は考えられなかった。広大なネットの世界の中で、特にハニワの作品は、従来の書籍や楽曲よりもいろんな可能性を秘めています」と言葉に力を込め、「ハニワ自身のプロジェクトも広がり続けています。映画で描ききれていないカップリングもたくさんあるので、今後の展開で描けたらと思っています」と含みを持たせた。
本シリーズのアジアでの人気も、目を見張るものがある。映画第1作は台湾やタイなどで公開され、11月にシンガポールでも初上映。会場には約1000人の観客が詰め掛け、関連グッズが飛ぶように売れた。「アジアでの動員やDVDの売り上げは、成功と言える数字です。本シリーズは声優陣が非常に豪華。ハニワの熱いオファーで集められたオールスターで、特に神谷さんや戸松さんの人気が動員につながっています」。
アジアでの展開は、ここ5年間のアニメ業界の悲願だった。それが成就しつつある要因を、斎藤氏はこう分析する。「追い風になっているのは、世界に向けての映像配信です。日本で放送した直後に、各国でオフィシャル配信が開始され、かつ配信料がしっかり得られる仕組みが現時点で出来ています。中国では1話につき5万ドル以上の値をつけてくれることもあります。国によっては違法配信で見る向きはいまだに強いものの、オフィシャル配信がビジネス上でとても重要になっています」。
ネット配信を通じ容易に鑑賞できるため、作品が海外で人気を博す可能性は、以前よりずっと高くなった。アニメが海を越える仕組みが整備された今、作り手に求められることは何だろうか。「海外で受けているアニメは、やはり日本でも人気のものです。『ラブライブ!』『ソードアート・オンライン』などが例で、アジアの人たちは『日本で盛り上がっている=良いもの』と感じるんです。日本での人気はないけど、海外で人気というのは近年めったに聞かないですね。そこに立ち返ると、基本的なことですが、目の肥えた日本のアニメファンに受ける良質な作品をつくり続けることが、結果として海外でも実を結ぶと思っています」。
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