女子中学生による“金魚事件”扱った短編、サンダンス映画祭に正式招待
2016年12月8日 17:00
[映画.com ニュース] 埼玉・狭山市で実際に起こった事件に着想を得た短編映画「そうして私たちはプールに金魚を、」が、2017年1月に開催される第33回サンダンス映画祭の短編部門に正式招待が決定し、ワールドプレミア上映されることがわかった。
同作は、次世代の映画監督を発掘するスカラシッププロジェクト「MOON CINEMA PROJECT」の第1回グランプリ作品。13年夏、狭山市の女子中学生4人が学校のプールに金魚400匹を放って世間を騒がせた事件を原案にした青春物語が展開する。メガホンをとったのは、カンヌ国際広告祭ヤングライオンフィルム部門で、日本人初のメダリストとなった長久允(ながひさ・まこと)監督。「バースデーカード」「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」で好演した新進女優・湯川ひなが主演を務め、黒田大輔、山中崇、並木愛枝ら実力派キャストが脇を固める。
挿入歌には、南沙織のデビュー曲「17才」を使用。ドキュメンタリー映画「モッシュピット」に出演し、新宿アンダーグラウンドシーンでもひと際異彩を放つバンド「NATURE DANGER GANG」が原曲のイメージを覆すテクノアレンジを行っている。
正式招待の一報を受けた長久監督は、「(実際の事件を)ニュースで見た瞬間ストーリーができました」と振り返り、「多分、今の日本で一番エモい映画になってると思います」と納得の出来栄えであることをアピール。「アジアの日本の埼玉の狭山のこの小さな物語を、ちゃんと見つけてくれてサンダンスありがとう!」と続け、「海外の皆さんの感想を聞きたい、語ろう!」と意欲満々だ。
同じく海外での上映を喜ぶ湯川は、主人公の女子中学生・あかねを演じるにあたり「はっきりとはわからないけど、自分とどこか共通点があるような気がしました。本当に存在しているかのようになるといいなと、そんな気持ちで撮影しました」と述懐。本作については「現実的であり、非現実的でもある。あるいは非現実を追い求めるが、結局現実である」という斬新な印象を抱いたといい「きっと誰も見たことがないような作品。『長久監督の頭の中はどうなってんだ?』と思うくらい」とコメントを寄せている。