オダギリジョー、西川美和監督「永い言い訳」を称賛 「ゆれる」とのつながりも語る

2016年12月3日 21:45


オダギリジョーと西川美和監督
オダギリジョーと西川美和監督

[映画.com ニュース] 西川美和監督が12月3日、第153回直木賞候補作にもなった自著を自身の監督、脚本により映画化した「永い言い訳」の大ヒット記念トークイベントを池袋シネマ・ロサで行い、俳優のオダギリジョーとともに登壇した。オダギリが主演した、西川監督の第2作「ゆれる」(2006)以来、親交を深めてきた2人。公の場で顔を合わせるのは10年ぶりとなるが、「信頼している俳優」「同志みたいな感じは持っています」(西川監督)、「そんなこと言うんですね(笑)」(オダギリ)などと終始リラックスした様子で語り合った。

本木雅弘が主演を務める本作は、不倫相手との密会中に妻の事故死を知った人気作家・衣笠幸夫が、妻とともに死んだ親友の遺族らと交流するなかで、誰かのために生きる幸福を見出していくさまを描いた。

オダギリは、登壇直後から本作を「傑作」と絶賛し、「真面目な話は照れ臭いのですが、すごいですね。こんな作品を撮るようになっちゃったら、次撮りたいものないでしょう? ひとつの完成形を見せつけられたような気がした」と脱帽の様子だ。

これを受け、西川監督は「40歳の直前くらいに思いついたネタだったので、40年生きてきた自分の実感が入っているんです」と解説。さらに「(撮りたいものが)なくなるかもってくらいは絞り尽くしています。30歳までの実感を詰めたのが『ゆれる』だった」と続け、「意識したわけではないけれども、10年前の作品とこの作品は何かつながっている」と感慨深げに語る。オダギリも「僕も感じました。(『ゆれる』の主人公)猛って役が、大人になったらこうなってもおかしくないみたいな。つながっているキャラのように思えた」と幸夫と猛に共通点を見出していたことを明かし、強く同調した。

さらにオダギリは、主演・本木の話題に移ると「実は僕、昔からすごく本木さんのことが好きなんです」「本木さんの影響が、自分のなかの20%くらいあると思いますよ。言い過ぎかな? でも17%くらいあると思う」と告白。高校時代を振り返り「ファッション的なものとか。あの時代の尖った感じといえばいいのか、すっごく影響を受けちゃいました」と明かしたが、直後に「でも本木さんにはちゃんとした部分、美しい部分があるじゃないですか。僕はそこがないから、人間的には違うんです。本木さんの突飛なところだけをもらっちゃったみたいな」と自虐を交え、場内を笑わせた。

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オダギリジョーを主演に迎え、西川美和監督が自身のオリジナル脚本で織り成す、兄弟の絆、人と人との繋がりを描いた心を揺さぶる感動作。

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